「オレたちの福浦」2000本安打! その瞬間に交錯したロッテファンの思い

本塁打の描く放物線も美しい福浦のバッティング

 これまで放った2000本の安打のうち、二塁打が388本、三塁打が19本、本塁打は118本と、まさに“中距離打者”という表現が当てはまる福浦。前述した都内在住の男性ファンも「流れるようなフォームから、右中間を破る美しい打球の軌跡だけが、目に焼き付いています」と語るように、福浦の二塁打を印象に挙げる人も多いが、高橋団長は118本と決して多くないホームランを印象的な一打に挙げる。

「福浦選手はホームランが多くないのですが、そっちが印象に残っています。2010年、横浜スタジアムの交流戦で打った代打満塁ホームランとCSで打った決勝ホームランが印象的です」

 どちらも福浦特有の流れるようなフォームからバットでボールを巻き込むようにしてスイングし、ライトポール際への放物線を描いた打球。右中間への鋭いライナー、芸術的なセンター返しや流し打ちで数多くのヒットを打ってきたが、ホームランでもファンにインパクトを与えているようだ。

 試合後の記者会見で「もっと若手に教えて、自分もしっかりプレーして。もっとみんなを良くしたい」と今後への意欲を語った。高橋団長も「今までの野球人生で培ったものを教えて、若手は刺激を受けてどんどん良い選手になってほしい」と福浦の存在によるロッテの若手たちの成長を願っている。

「井口監督を胴上げしたい。ZOZOマリンスタジアムで胴上げをしたい」という夢を口にした福浦。それはZOZOマリンスタジアムに集う全ての人々に共通する思いだろう。同じ夢を誓う福浦とスタンドの人々。これからも海風を受けた戦いは続いていく。

(「パ・リーグ インサイト」石橋達之)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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