ドジャース躍進の“舞台裏” 名門のブランドを高め続ける取り組みとは?

リーグ全体で加速するダイバーシティへの取り組み

 当時の球場広告は「ドジャードッグを作っているファーマージョンやバドワイザー、コカ・コーラくらいだった」が、オーナーが移り変わる流れで広告数が増えた。だが、特に古くからのファンの心理を考慮して、徐々に段階を踏んで増やしていく手法をとっている。

 2012年に現在のオーナーグループがチームを買収すると、方針を転換。スポンサーシップの単価を上げることでスポンサー企業数は必然的に減ったが、結果として収益額は飛躍的に上昇した。

「メジャーリーグの球団のほとんどが120から130ほどの広告パートナーと契約しているのに対して、この数年は70から80くらいで推移しています。ドジャースタジアムの看板広告も数を抑え、設置位置も細心の注意を払うことで、一つひとつが際立ち印象に残るよう配慮しています」(佐藤氏)

 確かに、ドジャースタジアムは他球場に比べて広告看板が少ない。その景観は、2000年以降は新球場建設ブームに沸いたメジャーリーグにあって、クラシカルな趣のままだ。

 エンターテインメント大国アメリカ、MLBでは多くの球団がギブアウェイ以外にも様々なイベントを用意している。シーゲル氏が率いてきたチケットセールス部でも、特定の人種や地域、大学や職業などをターゲットに絞り、限定アイテムと組み合わせたチケットパッケージを団体チケットとして積極的に企画販売し、成功を収めてきた。

「特定のターゲットごとに詳細なデータ分析ができるようになってきたので、低いリスクと投資で実施でき、結果も出ているので、こうした企画は年々増えています」(佐藤氏)

残された命題は1988年以来の世界一

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY