ロッテ井口監督が明かす監督業の難しさ「サイン出さなければよかったとか考える」

Full-Countの独占インタビューに応じたロッテ・井口監督【写真:佐藤直子】
Full-Countの独占インタビューに応じたロッテ・井口監督【写真:佐藤直子】

2軍戦からメジャーまで「1日中野球を見ているかな」

 チームスローガンに「マクレ」を掲げ、2018年シーズンを戦ったロッテは、今季中盤までAクラス入りを争った。だが、終盤に大ブレーキがかかり、昨季より1つ順位を上げた5位で幕を下ろした。「5位だったことを真摯に受け止める」と話す井口資仁監督だが、来季以降にもつながるチーム作りを目指し、シーズン中は1軍だけではなく、2軍も全試合を映像でチェック。コーチ陣、そして選手とコミュニケーションを図りながら一体感を求めてきた。昨季までの現役生活とは変わり、眠れぬ夜も過ごしたという井口監督が、Full-Countの独占インタビューで明かした本音を全4回でお届けする第3弾だ。

――正直に言うと、自分が打席に立った方が早いな、と思った瞬間もあったのでは。

「それを言ったら終わりなんでね(笑)」

――選手として接する野球と、監督として接する野球に違いはありましたか?

「監督としては、常にランナーがいたら、ヒットを打ってくれる、外野フライをあげてくれる、バントを成功させてくれる、サインを出したら100%成功してくれるって思いでいるけど、当然それが100%思い通りにはいかないからイライラしますよね(笑)。

 でも、サインを出したのは自分だし、チームの負けも最終的には監督の責任。そこは自分がベストだと思うメンバーを試合に出しているし、サインもこれだと思って出しているので、当然ですよね。5位だったこと、失速したことを真摯に受け止めて、来シーズン以降、どうやって苦しい時に立て直しをするか、考えていかないといけませんね」

――現役時代に4打数無安打で終わった時よりも、監督として試合に負けた時の方が、気持ちの切り替えが難しそうです。

「今の方が難しいでしょうね。試合が終わって寝る前に考えますよ。エンドランのサインを出して選手が失敗したら、あの時出さなければよかったな、とか。逆に、サインを出さずにゲッツーになって、出しておけばよかったな、とか。結果論ではありますけど、そこはいろいろ考えます。

 現役の時は、自分がベストパフォーマンスを出すために練習していたのが、今は2軍の試合もタブレットで見るから、1日中野球を見ているかな。時間ができれば2軍の試合映像を見て、メジャーをやっていればメジャーも見ちゃうし。朝から晩まで野球見て、何してるんだろって(笑)」

――2軍の選手のパフォーマンスもご自身の目で確認するんですね。

「もちろん。成績も含めて全部見ています。当然、今岡(真訪)2軍監督もしっかりやってくれている。1軍に選手を上げる時は、基本的には推薦してくれた選手を上げています。今年はファームから上がってきた選手は、みんなよく頑張ってくれた。なかなか上がれない選手もいましたけど、そこは秋季キャンプでしっかり声掛けしました」

難しい選手との距離感「コミュニケーションは取るけど、近すぎないように」

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