コロンビアで武者修行する日本人左腕 先発ローテ入りが目標、夢はNPB選手

激しい競争 かつて日本でプレーした選手も

 トロスでは先発は4~5人が中4~5日で登板する。現在は14年に西武の育成だったドミニカ人で、11月の月間最優秀投手賞を受賞した左腕のポルフィリオ・ロペスをはじめ、コロンビア代表選手2人と片山という先発4人制。樽見は5番目の枠を目指し、連日ブルペンで腕を振っている。

 チーム内競争はどのポジションも激しい。現役メジャーリーガーで、今年フィリーズで正捕手の座をつかんだ地元シンセレホ出身のホルヘ・アルファロが主軸でチームの顔。コロンビア人で韓国のktウィズでもプレーしていた元ブレーブスのシュガー・レイ・マリモン投手、ベネズエラ人で元タイガースのホセ・オルテガ投手、13年にBCリーグの信濃でもプレーしたドミニカ人で元アストロズのサムエル・ヘルバシオ投手と、リリーフにも3人の元メジャー選手がいる。

 また若手にはメジャー各球団のプロスペクトの選手も多い。一方、中にはメジャー球団と契約できず、夏場もコロンビアの国内リーグでプレーしている選手もおり、試合前の練習メニューや休日の過ごし方には大きな差がある。

「メジャーを経験している選手は準備もしっかりするし、体のケアもちゃんとしていて意識が高い。休日でもジムに行っている選手もいる。逆に、意識が低い選手は練習メニューもサボってちゃんとやらない。でも下を見てはいけない。そういう選手は試合でも打たれているし、意識の高い選手を見習わないといけない」

 実際、試合で結果を出せない選手は出番が与えられなくなり、新しい選手の加入が決まればクビになる厳しい世界。助っ人である樽見も「明日は我が身」と、気を引き締め、与えられた出番で結果を残そうと必死だ。

 対戦相手のチームにも日本に馴染みのある選手がいることも刺激になっている。カイマネス・デ・バランキージャでは元ロッテでキューバ代表のロエル・サントス外野手が1番を務め、4番は元阪神のペレス。先発には13年に広島の育成だったマルティン・ガルシア投手。投手コーチも広島、DeNAでプレーしたジオ・アルバラードだ。ティグレス・デ・カルタヘナでは元楽天で、BCリーグの信濃でプレーするラファエル・ポロ内野手が主軸を担う。

「敵地のグラウンドで急に日本語で話しかけられて驚くこともあります。日本でプレーしていた選手もいるし、野球をやっていたからこういうつながりができる。嬉しいですね。でも、まさか地球の裏側にまで及ぶとは思いませんでした」と、コロンビアでの新たな出会いを喜んでいる。

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