【肘と野球】小学生から球数制限を――肘の専門家と考える高校球児の怪我のルーツ

小中学生でのレギュラー獲り、将来の成長、どちらが大事?

 プロ野球選手やメジャーリーガーの中で、小中学生で全国大会に出た経験がない選手は何人いるだろう。高校時代に甲子園に出場したことがない選手が何人いるだろう。大半の選手はどちらの経験も持っていない。肘を痛めた小学生が2か月休めば完治したのに、今レギュラーになりたいがために投げ続け、結果的に「プロ野球選手になる」という夢を諦めなければならない大きな怪我を引き起こしたら、本末転倒だ。無理をしても復帰を逸る子供を諭すこと、子供が痛みを我慢しない環境を作ることなどは、大人が果たすべき役割だ。

 そのためにも大切になるのが、指導者や保護者が子供たちの体や成長について基本的な知識を持つことだ。古島医師を中心とした呼びかけで、群馬県スポーツ少年団の軟式野球指導者にライセンス制度を導入している。ライセンス取得のための必須講習の1つには、肩肘の故障や子供の成長に関する講義も含まれている。

 Full-Countでは、古島医師を講師に迎え、子供の成長の特性、代表的な肘の怪我の解説、適切なトレーニングや指導方法などについて連載シリーズでお届けする。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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