156、154、157…158キロ! 独立L栃木の元DeNA北方、衝撃投球に観客「マジかよ」

BCリーグ開幕戦で158キロを記録した栃木・北方悠誠【写真:小西亮】
BCリーグ開幕戦で158キロを記録した栃木・北方悠誠【写真:小西亮】

開幕戦で好投も淡々「アピールするだけ」、大船渡高・佐々木の163キロには微笑む

 ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスからNPB復帰を目指す元DeNAの北方悠誠投手が6日、リーグ開幕戦となる茨城アストロプラネッツ戦 (ひたちなか市民)で剛球を連発した。4点リードの8回に登板し、自己最速まで1キロに迫る158キロを記録。スタンドからはどよめきが起きる“圧投”で、完封リレーの一翼を担った。

 7回に投げた同僚の橋詰循が152キロを出してスタンドが盛り上がった直後だっただけに、その衝撃はさらに増した。初球は157キロ。観客からは「マジかよ」との声が漏れた。初対戦の打者に対し「初見だったし、まっすぐで押せていたので」と直球を続ける。156、154、157……。数字に観客が慣れてきたころだった。三塁内野安打で走者を背負い、クイックで投げた10球目は158キロ。昨季の公式戦で出した159キロに、早くも開幕戦のマウンドで迫った。

 押しに押し、最後はスライダーで2連続三振。計14球で変化球はその2球だけ。1イニング無失点で役目を務めた。登板後はいたって冷静に「アピールしていくだけです」と淡々。周囲から「160キロ」の大台を期待されても「出したい気持ちはあるけど、自己満足なんで。それよりも結果」と言い切る。

 2012年ドラフト1位でDeNAに入団しながら、わずか3年で戦力外に。その後もソフトバンクの育成や独立リーグを転々とする苦しい日々だったからこそ、有無も言わせない結果がほしい。この日、大船渡高の佐々木朗希がU18高校日本代表候補の合宿で163キロを出したことを聞いても、微笑む程度。むしろ「体壊さないといいですね」と気遣った。

 前阪神の西岡剛や、前中日の若松駿太ら同じNPB経験者が増え「自分もお手本になれるように」と自然と意識も高まる。華やかな舞台に戻りたい思いを秘めつつ、超一級品のストレートを投げ込んでいく。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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