福井工大付福井、女子硬式野球ユース大会初制覇 “初日本一”に監督「感無量」
1-0で延長9回サヨナラ勝ち、投手力で初の頂点「本当にうれしい」
第10回記念全国女子硬式野球ユース大会は22日、埼玉県加須市の加須きずなスタジアムで決勝が行われ、福井工大付福井(福井)がクラーク記念国際仙台キャンパス(宮城)に延長9回、1-0でサヨナラ勝ちし、うれしい初優勝を遂げた。
ともに初の栄冠を懸けた決勝は、福井・相田千陽とクラーク・小野寺佳奈による1点を争う白熱した投手戦を展開した。規定の7回を終えて0-0。両校とも散発4安打で、三塁まで走者を進めたのが、そろって1度ずつという両エースの力投が続いて延長に入った。
8回2死一、二塁、9回1死二塁のピンチをしのいだ福井は9回裏、2死から2番・杉本詩織が右前打で出塁。続く1年生の上杉光涼が、初球のストレートを完璧に捕らえて右越え二塁打を放つと、杉本が一気に生還して劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
高校女子硬式野球の全国大会は、春の選抜、夏の選手権、新チームによるこのユース大会があるが、2012年に女子硬式野球部を創設した福井にとって、決勝進出も日本一も初めてだ。発足時から指揮を執る中村薫監督(35)は、「優勝を目指してきたので本当にうれしい。選手、保護者、学校関係者、全ての人々に感謝したい。感無量です」と喜びをかみ締めた。
投手を中心に守備からリズムをつくり、粘り強い試合運びがチームの特長だが、決勝はそんな持ち味を存分に生かし切った。
今大会はエース相田のほか、柏崎咲和、菅原桃花、今井綾といういずれも完投能力のある4投手が登板。20日の準々決勝は4回途中、豪雨のため特別継続試合となり、翌日は早朝から準々決勝の残りイニングをこなした後、準決勝に臨むという過酷な日程を強いられた。