受ける捕手は「怖い」 SNSで話題の“魔球”ナックルを操る国立大生、プロへの挑戦
元・千葉大学野球部の佐野太河投手、独立リーグなどのトライアウトを受験中
一通のメールに決意が表れていた。「この度、千葉大学硬式野球部を退部致しました」。10月末、千葉大学の佐野太河投手はまだ3年生ながら、千葉大学野球連盟3部リーグに所属しているチームを辞め、ナックルボールを武器に大きな夢へ挑戦することにした。
“ナックル大学生”として、SNSを中心に話題となっている。最初は存在を広めていくためにツイッターでナックル動画をアップしていた、反応が増えるたびに、自分の発奮材料となっていた。そして、「色々な野球の世界を見てみたいと思って(独立リーグなどの)プロ球団やその他のトライアウトを受けることにしました」と“一芸”を引っ提げて、高いレベルへ挑むことにした。先日は、四国アイランドリーグのトライアウトや、元西武、巨人、オリックスの清原和博氏が監督を務めることで話題となっている「ワールドトライアウト」にも参加した。プロの世界でフルタイム・ナックルボーラー(ナックルボールが投球の主体となる投手)として勝負する投手を目指している。
今では「ほぼ、投げた球は無回転にできます」と“魔球”の精度は高くなってきている。佐野投手のナックルボールの変化は様々。Full-Count YouTubeで公開した特集動画にあるように、真っすぐの軌道で、打者の手元で大きくスライダーように曲がる球から、フォークやシンカーのように落差のある変化、浮き上がってくる球……投げている本人も予測はできない。いつもブルペンで受けている後輩捕手はその変化量に驚いている。「たまに襲ってくるようなボールが来るんです。それが一番、怖い。捕手はボールを基本的には下から見ているので(捕球寸前で)急に浮いてきたりする。その対策もしなくてはいけませんでした」と受けるのも一苦労だった。