初陣で40選手を起用&個別ミーティング 慶大新監督の名将が見せたカラーとは?

試合後に選手を集めミーティングを行った慶応大・堀井哲也監督【写真:編集部】
試合後に選手を集めミーティングを行った慶応大・堀井哲也監督【写真:編集部】

36年ぶりの慶大イズム オープン戦は1-1の引き分け

 慶大の新監督に就任した前JR東日本・堀井哲也監督が1日、横浜市の慶大下田グラウンドで行われた武蔵大とのオープン戦で初采配。この日の試合は12回制で行われ、前日のオール早慶戦に出場した選手たちを除くメンバーで戦い、1-1の引き分けとなった。

 堀井監督は1イニングごとにピッチャーを交代し、約40人のメンバーを使った。サインはなしで、選手たちに考えさせた。「試合展開の中で自分たちで考えてやるように。自分のベストのパフォーマンスを見せてくれ、勝つために何ができるのか見せてほしい」。ただ、プレー後には一人一人の選手と対話。JR東日本監督時代から大切にしていた時間を大学野球でも継続していく。

「コミュニケーションを取っていこう」と、現在、堀井監督の提案で部員全員と1対1の面談を行っている。1時間以上も会話が続くこともある。今後、100人を超える全員との面談を予定。一人一人が目標を明確にし、全員がその目標に向かっていけばチームは強くなる。そのためにも、どんな考えをしているのか聞きたいと、積極的に選手と対話する機会を持つ。瀬戸西純新主将も新監督の印象を「コミュニケーションを大切にされている方」と感じている。

 堀井監督は慶大OBで外野手として80年から83年に在籍。卒業後は87年まで三菱自動車川崎でプレー。引退後は三菱自動車岡崎で監督を務め、オリックスと巨人で活躍した谷佳知氏らを輩出。04年からはJR東日本で監督を務め、11年には都市対抗野球大会で優勝した。社会人の監督となってから、オープン戦で慶大グラウンドに来たことはあったが、慶大の人間としてグラウンドに足を踏み入れるのは実に36年ぶり。最寄りの駅の風景も変わり、道に迷ったという。今はそんなには感じないが、当時、張られた外野のネットは高かったと振り返る。

 前任で明治神宮大会で優勝した大久保秀昭監督からバトンを受けた。環境や自身の経験、時代の流れとともに野球や生徒たちの考え方も変わったが、緻密さ、対話重視の野球は変わらぬ色として、新生・慶大を導いていく。

(梶原麻貴 / Maki Kajiwara)

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