BC栃木入りの成瀬、NPB復帰目指す若松のサポート約束 「少しでも力になれたら」

今季からBC栃木でチームメートとなる成瀬善久(左)と若松俊太【写真:編集部、小西亮】
今季からBC栃木でチームメートとなる成瀬善久(左)と若松俊太【写真:編集部、小西亮】

自身も苦しい時期にヤクルト石川から助言貰う「変化もしなきゃいけない」

 ロッテ時代の2007年には最優秀防御率に輝くなど、通算96勝の実績を持つ左腕・成瀬善久投手が、ピッチングコーチ兼投手としてルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに加入した。2018年に中日を戦力外となり、NPB復帰を目指す若松駿太投手の強力な援軍となりそうだ。

 15日に小山市内で入団会見に臨んだ成瀬は、今季から同僚となる24歳の若松について「僕より全然若いですし、もう1度、NPBに行きたいって思いも強い」と言及した。「自分が今までやってきたことを伝えられることは伝えて、違うなと思ったら排除してくれていい。まずは本人次第、やる気があるかないかがスタートだと思うので、少しでも力になれたらなと思います」とNPB復帰へのサポートを約束した。

 自身の苦い経験も若手に伝えていく。2007年に最優秀防御率のタイトルを獲得し、2009年からは4年連続で2桁勝利、2010年には日本一にも貢献するなど輝かしい実績を持つ成瀬だが、ここ数年は苦しんできた。「自分の中では30歳ぐらいで体が変わり始めた。前の年にやってきたことがちょっとずつ狂い始めてきた」と言うように、30歳を迎えた2015年に3勝に終わると、2017年以降は勝ち星を挙げられなかった。

 そんなときに先輩のヤクルト・石川雅規投手からアドバイスを貰った。「1年1年体は変わっていくものだから、1年1年進化をしなきゃいけないし、変化もしなきゃいけない。でも怖さもあるけど」。今までは継続してきたことを「これをやれば十分」と思っていたが、「これだけ勝ってる人でも毎年変えてるんだ」と思い知った。「それじゃあやっぱりダメなんだと30歳を超えてから気づかされました」と振り返る。

 そのような貴重な経験を若松にも還元する。「ヤクルトのときに対戦していいものを持っているのは知っている」と2015年には2桁勝利を挙げた実力にも太鼓判。「あとは本人がNPBに行きたい思いは強いと思うので、どうしたらNPBに行けるか、這い上がっていけるかを、若いから目指せる部分もあるので手助けしてあげられたらと思っています」と後押しするつもりだ。

 まだ2回ほどしか面識がなく、過去の対戦の話をしたくらいだという2人。「まだちょっと僕もそうですけど距離はあるんじゃないかと思っています」と、まずは距離を縮めるところからスタートするようだ。

(工藤慶大 / Keita Kudo)

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