レイズ移籍の筒香嘉智が激白 「やるかやられるか」の覚悟、渡米へグラブは3種類

まだ見ぬメジャーの舞台について心情を語るレイズ・筒香嘉智【写真:津高良和】
まだ見ぬメジャーの舞台について心情を語るレイズ・筒香嘉智【写真:津高良和】

メジャーに持ち込むグラブは3種類「内野用、外野用、ファースト用を持っていきます」

 野球選手が日本球界からメジャーへ移籍する時、決まって「挑戦」という言葉が使われる。筒香の移籍に対しても、この「挑戦」という言葉が当てはまるのだろうか。

「う~ん、もちろん『挑戦』もありますけど、それよりも『勝負をしに行く』っていう感覚ですね。『やるかやられるか』、そんな感じです」

 覚悟を持って向かうメジャーの舞台。まだ見ぬ世界に不安が募ることもある。

「まだ1度も経験したことがないし、結果が出ていないので、不安はもちろん消えないです。いや、どれだけ成績を残していても、次の日、次の年になったら不安になるので、その不安は引退するまで消えないと思います。自信があるかと聞かれても、なんせプレーしていないので分からない。自信がないわけでも、あるわけでもない。もしかしたら、自信っていうキーワードが僕の中にはないかもしれません」

 侍ジャパンが国際大会に臨む時、あるいは日本人野手がメジャーに移籍する時、決まって話題に上がるのが「動く球」への対応だ。北中米の投手は特に、日本の投手のように綺麗に糸を引くような真っ直ぐを投げることが少なく、打者の手元で変化するカッターやシンカーのような球を投げることが多い。だが、筒香は「僕は動く球はそこまで嫌じゃない」と話す。

「僕は動く球ではなくて、変化球ですね。変化球は映像を見るだけでも、すごい変化をしている。ストレートの速さは、目の慣れの問題だと思うので、最初は打てなくても慣れたら何とかなる。ただ、変化球は映像で見る変化と、実際に打席に立った感覚が一致しているのか分からないので、そこですね。もちろん、想像の中で準備はしていますけど、想像を超えることはあると思う。その時に、どう対応して準備するかですね」

 昨シーズン、激戦のア・リーグ東地区で96勝66敗としたレイズは、オープナーと呼ばれる新たな投手起用術を編み出したり、複数ポジションを守れる汎用性の高い野手を起用したり、独自のスタイルを築き上げた。筒香は主にDHとして起用される可能性が高そうだが、球団の方針に対応できるようスプリングトレーニングには3種類のグラブを持ち込むという。

「グラブは内野用、外野用、ファースト用の3種類を持っていきます。ベイスターズで初めて外野を守った年(2012年)も、ファースト用も一応用意しておいてほしいと言われて3種類持っていましたね」

 高校時代は三塁でレギュラーを張り、守備には自信があった。プロ入り後、最初に守ったのが一塁で、2012年には三塁で92試合に出場したが、この年から外野にも挑戦。2015年には左翼へ完全転向している。だが、昨年はチームに故障が相次ぎ、5年ぶりに公式戦で三塁を27試合守った。必要に迫られたチームの方針だったが、「あそこで何試合か守れたのは大きかったですね」と振り返る。

「練習で守るのと試合で守るのでは全然違いますから。打球の質も違いますし。あそこで経験できて良かったです。思ったよりいけたなって思いました(笑)」

中軸で長打が期待される筒香、本塁打は「期待されていれば、もちろん打ちたい」

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