いったいなぜ… 日韓の争奪戦で韓国球界を選択する外国人選手の理由を分析
KBOを経由しMLB入りする外国人投手たち
KBO経由でMLB入りした代表的な投手がメリル・ケリーである。2015年に26歳で渡韓し、4年に渡り活躍。2018年オフに2年550万ドル(約6億500万円)でダイヤモンドバックスと契約すると、2019年は32先発で158奪三振を記録しローテーションを守り通した。
ケリーの活躍を受け、今オフはキム・グァンヒョンがカージナルスと2年800万ドル(約8億8000万円)、ジョシュ・リンドブロムがブルワーズと2年910万ドル(約10億円)で契約した。ヘクター・ノエシ、ライアン・フィアベンドはKBOで活躍後、マイナー契約で米球界に復帰し、のちにメジャーでの登板を果たしている。KBO側は柱を担える先発投手を欲し、選手側はKBOで数シーズン活躍しMLBに「逆輸入」を狙うというまさにWIN-WINの状態ができあがっている。
特に若い投手はそういった思惑をはっきりと持って渡韓しても不思議ではない。MLBの現状の選手契約制度では、スティーブン・ストラスバーグやゲリット・コールら若くしてFA権を獲得するような超スーパースターを除き、若い投手はなかなか高い年俸がもらいにくい。
例えば、2019年にMLBで20先発以上務めた投手は合計177人。うち20代は116人だった。その116人の年俸の中央値は55万ドル(約6000万円)となっている(※1)。20先発以上をしたバリバリのメジャーリーガーの多くがこの程度の年俸にとどまっているのだ。ならば、自身が活躍できる環境で、しかも高待遇で迎え入れてくれるチームを探すのは自然な成り行きだろう。そう、彼らの行く先は必然的にアジアとなる。