西武のレジェンドが背負った背番号「3」の系譜 山川にしかない武器と前任者の共通点
「15代目背番号3」の山川穂高が先輩たちを凌駕するもの
ここまでは、過去に背番号「3」を着用したOBの優れた成績を取り上げてきた。しかし、山川には先述した5選手を大きく上回る強みがある。それは「本塁打力」だ。昨季は、日本人史上最速となる321試合で100本塁打の大台に到達。割合で見ても、プロ6年間で398本の安打を放ったが、うち129本が本塁打という成績だ。本塁打率.324という数字は、過去の背番号「3」の歴史でも出色の数字と言って間違いないだろう。
本塁打では、土井氏や清原氏の成績は素晴らしいものである。ただ、両氏ともに本塁打率が3割を上回った年はない。打球をスタンドに打ち込む能力の高さは、間違いなく山川が持ち合わせている最大の「武器」と言えるだろう。昨年は2018年から守り続けてきた4番を、中村に「返還」する苦い経験もあった。3年連続の本塁打王獲得に向けて、まずは4番に返り咲くことができるか。
山川は自ら進んで7年間慣れ親しんだ「33」からの変更を申し出た。先述した「勝負の3年目」に、あえて大きな重圧のかかる番号を継承する。もちろん、「広角打法」と「勝負強さ」は大切な要素だ。ただ、当然のことながら過去の14人の「先輩」たちがすべて同じではない。チームは70周年。山川選手がその歴史に新たな1ページを加えるには絶好のチャンスだ。
【ライオンズの背番号3】
楠協郎(1950)
新留国良(1951)
大下弘(1952~1959)
広野功(1968~1970)
榎本喜八(1972)
福富邦夫(1973~1974)
土井正博(1975~1981)
ジェリー(1984)
清原和博(1986~1996)
玉野宏昌(1997~1999)
フェルナンデス(2000)
マクレーン(2001~2002)
中島裕之(2004~2012)
浅村栄斗(2017~2018)
(「パ・リーグ インサイト」吉田貴)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)