高卒、大卒、社会人卒…大成した選手が多いのは? ベストナイン、GG賞から紐解く
高卒選手が全体の半数以上となる52%、大卒は28%、即戦力の社会人は…
【2018年】
○投手
西武 菊池雄星:高卒
○捕手
西武 森友哉:高卒
○一塁手
西武 山川穂高:大卒
○二塁手
西武 浅村栄斗:高卒
○三塁手
ソフトバンク 松田宣浩:大卒
○遊撃手
西武 源田壮亮:社会人卒
○外野手
ソフトバンク 柳田悠岐:大卒
西武 秋山翔吾:大卒
オリックス 吉田正尚:大卒
○指名打者
日本ハム 近藤健介:高卒
【2019年】
○投手
ソフトバンク 千賀滉大:高卒
○捕手
西武 森友哉:高卒
○一塁手
西武 山川穂高:大卒
○二塁手
楽天 浅村栄斗:高卒
○三塁手
西武 中村剛也:高卒
○遊撃手
西武 源田壮亮:社会人卒
○外野手
西武 秋山翔吾:大卒
オリックス 吉田正尚:大卒
ロッテ 荻野貴司:社会人
○指名打者
ソフトバンク デスパイネ:外国籍選手(キューバ)
高卒:26人(52%)
大卒:14人(28%)
社会人卒:4人(8%)
外国籍選手:5人(10%)
独立リーグ出身:1人(2%)
以上のように、高卒の選手が全体の過半数を超える結果となった。大卒選手はそれに次ぐ順位ながら、その数字は高卒選手のおよそ半分。全体の4分の1以上と考えれば決して少ないわけではないが、より早い段階からプロ入りしている選手たちのほうが、大成する可能性は高いと言えるかもしれない。
そして、社会人卒の選手は合計でわずか4人と全体の1割を下回り、外国籍選手(5人)よりも少ない数となっていた。即戦力という面では最も計算が立つであろう社会人出身の選手ではあるが、“化ける”期待感という点では、より若い選手たちに分があるのだろうか。
ただ、社会人出身で選出された4選手は、いずれも大学を経由して社会人からプロ入りした面々だ。高校から直接、社会人野球に進んでプロ入りするケースであれば、年齢的には大卒の選手よりも有利な場合もある。それだけに、そういったルートでベストナインを受賞した選手が近年存在せず、むしろ遅いプロ入りとなった選手たちのほうが成功しているという点は興味深いところだ。
外国籍選手は三塁手が2人、指名打者が3人と、選出された選手が2つのポジションに集中していた。これらのポジションと同じく外国籍選手が任されることが多い、一塁手や外野手で選出者が出なかったのは少々意外だったが、ベストナイン全体の1割を占める勢力となっている助っ人たちは、やはりリーグ内で存在感を十分に発揮していたと言えそうだ。
直近5年間で唯一、独立リーグ出身者として名を連ねた角中は、今回取り上げた中でもやはり異彩を放つ存在だ。独立リーグ出身者として初の打撃タイトルとなる首位打者に2度輝き、昨季は同じく独立リーグ出身者史上初の通算1000本安打も達成。NPBの舞台でも着実に実績を残してきた角中は、まさに「独立リーグの星」と呼ぶにふさわしいだろう。
先ほど紹介した値は、重複した選手も省かずに合計の値に加えた、「延べ人数」で算出したものだ。実際、秋山や柳田のような実力者は、直近5年間においてベストナインに複数回選出されている。そこで、重複した選手を除いた結果についても、以下に紹介していきたい。
高卒:16人
大卒:7人
社会人卒:3人
外国籍選手:4人
独立リーグ出身:1人
以上のように、純粋な選手の数でも高卒の選手が大卒の選手の倍以上となっている。大卒の選手は秋山(4回)、柳田(3回)、山川、吉田正(各2回)と複数回選出された選手が多く、延べ人数のちょうど半分という結果に。受賞1度の選手も糸井と松田という実績十分の2名だったが、数としては一極集中が目立ったか。
高卒の選手も、2016年に投手と指名打者の2部門でベストナインに選出される離れ業を演じた大谷(3回)をはじめ、浅村(4回)、菊池、森、中田、中村、西川(各2回)と、複数回受賞した選手は多かった。ただ、1度のみの受賞となった選手も9人とまた多く、総合的な層の面でも分厚かったと言えそうだ。
社会人卒の選手は複数回受賞者が源田(2回)ただ1人で、外国籍選手もデスパイネ(2回)1人のみ。いずれも特定の選手に依存した数字ではなかった。とはいえ、長期間にわたってベストナインを獲得し続けている選手は、やはり高卒・大卒の選手が多い。年齢的な面での優位性は、こういった面にも出ていると言えるだろうか。