期待され続け7年目 鷹・上林、覚醒へ胸中激白「バリバリやってなきゃおかしい」

12月は米国でトレーニング、球団側の配慮で文書で契約更改を済ませる形に

 この時、上林は米国に滞在していた。米国のトレーニング施設で復活を期すシーズンに向けてトレーニングに励んでいた。「10日間くらいしか行っていないので、それで何がどう変わるということはないと思います。ただ、あっちの空気に触れたかったのが1番の理由。メジャーリーグの空気、アメリカという国の空気、そういうものに触れたかったんです」。

 ちょうどこの渡米していた期間と、球団から提案された契約更改交渉の時期が被ってしまった。上林は契約更改のために帰国することを考えたが、トレーニングを重視した球団から無理に帰国する必要はないと配慮された。その結果、文書での契約更改という異例の形になってしまった。

 さらに米国から帰国した後は、鹿児島にある鹿屋体大で自主トレを続けた。そこではトレーニングに励むと同時に「自分の体のことを勉強しました」という。大学の施設で自身の身体を計測。その中では、左足よりも右足の使い方が上手くできていない、などの自身の身体的な特徴などを把握することができたという。

 米国でのトレーニング合宿も鹿児島での自主トレも「たまたまタイミングがそうなった」とは言うが、やはり今季に賭ける思いは強い。「今年はやるしかない。もう25歳なんで、もう全然若手じゃない。バリバリでやってなきゃおかしい歳なので」。2013年のドラフト4位で入団し、はや7年目。上林は「危機感」ではなく「使命感」だとも語った。

 キャンプ中は連日、朝から晩までバットを振り続け、まさに“野球漬け”の日々を過ごしていた上林。ホテルに帰っても、オフの日も、頭の中は野球のことばかり。「野球のことを考えるのが趣味みたいなものですね。これといった趣味はないんですけど、そういうのを考えるのが趣味ですね」と語る。期待しているファンは数多い。その期待に応える、上林の2020年の覚醒を期待したい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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