通算塁打では王貞治、野村克也… 長距離打者に有利な指数も直近10年では変化?
本塁打王が塁打で年間1位だったケースは直近で2011年の中村のみ
外国籍選手や長距離砲も少なからずランキング上位に顔を出しているが、その年の本塁打王が塁打でも年間1位だったケースは、2011年の中村の1度のみ。それに対し、その年の首位打者を獲得した選手が塁打でも1位だったケースは、2010年の西岡、2014年の糸井、2015年の柳田、2017年の秋山と、計4度存在した。打率の高い選手のほうが、より多くの安打や二塁打を記録しており、塁打の面でも有利ということだろうか。
なお、2011年の中村が記録した315塁打は全体で4番目に多い数字となっているが、このシーズンは統一球が導入された影響でリーグ全体の長打数が大きく減少した年でもあり、リーグ2位の松田宣浩が23本塁打、同3位のバルディリスと中田翔が18本という状況だった。そういった環境の中で記録した数字ということもあり、なおのことその価値は高くなりそうだ。
また、直近10年間で複数回リーグトップの数字を記録しているのは、浅村と秋山の2名だけだった。浅村は2013年に安打数が3位、二塁打が2位。2016年は安打数が2位、二塁打が1位と、ともに多くの安打と二塁打を稼いでいた。秋山も2017年、2018年と、2年連続で安打と二塁打でリーグ1位を記録しており、やはりこの2つの数字を稼げる選手が、塁打の面でもリーグ屈指の数字を叩き出せるということが見えてくる。
2019年は吉田正と山川が全く同じ数字で並ぶ結果となり、この10年間では唯一複数人がタイトルを分け合ったシーズンに。安打数では吉田正がリーグ2位だったのに対し、山川はトップ10に入っていなかった。しかし、本塁打数では山川が吉田正に14本の差をつけており、二塁打と三塁打では両選手ともにトップ10圏外だった。数字のうえでは同数であっても、塁打の稼ぎ方は両者で異なるところが興味深くもある。