通算塁打では王貞治、野村克也… 長距離打者に有利な指数も直近10年では変化?
「塁打」という数字は、チームにどれだけ多くのチャンスをもたらしたかを示している
「塁打」は長打、とりわけ本塁打の価値がより高く換算される指標ではあるが、現代の野球においては、むしろ安打と二塁打を多く稼げる選手のほうが塁打を稼ぐうえでは有利だ。その理由としては、時代と共にスタジアムが大きくなり、本塁打を放つ難易度が上がる代わりに、二塁打や三塁打を稼ぐチャンスは増加したことや、試合数の増加にともない各選手の安打も増え、長打に頼らずとも塁打を稼ぎやすくなったことが挙げられるだろう。
とはいえ、現代野球においても、中村のように圧倒的な長打力によって多くの塁打を積み上げてきた選手も存在している。また、2019年には確実性と長打力を兼ね備えた吉田正と、2年連続本塁打王の山川が同数で首位に立つという結果となっている。
多くの塁打を稼ぎ出している選手は、それだけチームに対して多くの走者や得点機をもたらしていると言っていいだろう。一般的に注目されることが決して多くはない指標ではあるが、選手の貢献度や打者としての能力を計る上で、「塁打」がその助けとなる可能性は大いにあるはずだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)