「開幕戦」でも多くの伝説残す長嶋茂雄 4打席4三振で始まり、NPB記録も…

昭和最後の開幕戦、日本初のドーム球場での初本塁打はヤクルトのデシンセイだった

 昭和最後の開幕戦は、1988年だった。この年3月、東京ドームが開場する。これまでのプロ野球本拠地球場よりも両翼が約10メートルも長く、「ホームランは出にくくなるだろう」と言われていた。

 開幕は4月8日。折からの寒波襲来で、東京地方は80年ぶりの大雪となり、積雪9センチ。前年までの後楽園球場なら中止になっただろうが、東京ドームでの開催に支障はなかった。球団発表5万6000人の大観衆の前で、東京ドーム第1号を打ったのはヤクルトのダグ・デシンセイ。MLBで237本塁打を打ったスラッガーは、2回、巨人史上最年少の20歳で開幕投手となった桑田真澄の出ばなをくじいた。

 この試合は、皇太子ご一家が観戦されていた。皇太子は翌年には即位して天皇となる。現在の上皇陛下だ。一緒に観戦されていた浩宮徳仁親王は、ヤクルトファンとして知られていた。現在の天皇陛下だ。

 昭和最後の開幕戦も、今から思えば象徴的な試合だったといえよう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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