パ・リーグ設立70周年、日刊スポーツ紙面でたどる歴史の数々 初年度の一面記事は?
正力松太郎氏は現代ではタイトルの名前にも
2リーグ制誕生のきっかけを作った正力松太郎氏。1977年より、その業績を称える形で「正力松太郎賞」としてタイトルの名前にもなっており、その年のプロ野球界に最も貢献した人物が選出されている。
昨年はソフトバンク・工藤公康監督が3度目の受賞となった。在任5年でチームを3年連続4度目の日本一に導いたその功績は誰もが知るところだろう。このように、通常ではその年の日本シリーズ優勝監督が選ばれる傾向が強い。ただ、近年では2017年にソフトバンクのデニス・サファテ投手が受賞したことで話題に。シーズンセーブ日本記録樹立、リーグMVP、日本シリーズMVPなど数多くの記録を打ち立て、外国人選手史上初の受賞となった。(※監督としては2005年にロッテのホビー・バレンタイン監督も受賞)
紙面に目を移すと、正力氏のコメントも最下部に掲載されている。そこには「今度はプロということを念頭に置いて行動すべきだ。2リーグに分裂した以上両方とも今までよりもっともっとプロらしくせねばならぬ」とある。
現在ではハイレベルなプレーを見せる選手たちはもちろんのこと、魅力的なマスコット、試合を盛り上げるダンスチーム、さらにはそれらを支えるスタッフなど、一つの試合とっても数多くの「プロ」によって運営され、それが興行である野球の魅力を一段と高めている。果たしてこの先の70年間で、どのような進化を見せてくれるのだろうか。
第2回以降では、井上さんによる当時の選手の詳細な解説や、現在の日刊スポーツと70年前の日刊スポーツの紙面比較などを行なっていく。本記事で触れた以外の点からも、さまざまな情報を得ることができる一つの歴史資料として、ぜひとも紙面の細かい部分にも注目してもらいたい。
紙面提供:日刊スポーツ
取材協力:野球殿堂博物館