西武山川らの大学恩師、法大・青木監督が球児へエール「頭脳や人間性は磨ける」【前編】

中部商時代ににじみ出た西武山川の人間性「頭脳や人間性は技術と同じくらい大切なこと」

「その数日前、自分が本塁打を打って勝った試合後の立ち居振る舞いが印象的でした。寄ってくる地元の小学生たちの頭をなでながら、『お兄ちゃんみたいなホームランを打ちたかったら、ご飯をたくさん食べろよ』とか言っている様子がとても微笑ましくて、僕は『これは“獲り”だ』と確信しました。野球選手として伸びるか伸びないかは、人間性に懸かっている部分が大きいと考えていますから」。実際、山川は富士大2年の時に日米大学野球に出場し1発を放つなど成長。13年ドラフト2位で西武入りした。だからこそ、青木監督は現在の高3球児へ向けて「試合ができなくても、頭脳や人間性を磨くことはできるし、技術を磨くことと同じくらい大切なこと」と強調する。

 青森・弘前実高出身の外崎の場合も同様。「弘前実の監督が僕の拓殖銀行時代の先輩だった縁で、青森まで見に行ったのですが、前腕の異常な太さに驚きました。前腕の太い選手はたいてい、リストが強くパンチ力があります。それに、実家のりんご農園が(1991年の)台風で甚大な被害を受けて経営が苦しく、長男の外崎は『プロ野球選手になって親の期待に応えたい』と言っていました。そんなメンタルの強さも良かった」と明かす。

 さらに外崎は、富士大入学後に格段の成長を遂げた。「入学当初はいかにも東北人らしい、おっとりしたところがあったのですが、2年生進級前に、私の所に1人で来て、『このままでは僕は1人前になれないまま終わってしまう。鍛えて下さい』と言ったのです。『こいつ、目覚めたな』と思いました」。外崎は試合中も「どうもスイッチが入っていないので、気合を入れて下さい。叱って下さい!」と直訴してくることが度々あり、そんな時は直後の打席で必ず打ったという。2014年ドラフト3位で西武入り。「努力していれば、見てくれている人は必ずいる。そして大学進学後や入社後であっても、本人がその気になればいくらでも成長できる。外崎はその好例でしょう」と青木監督はうなずいた。

 次回は、高校球児をスカウトする際の動画の効用などについて語っていただく。

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(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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