NPB復帰は「正直、今年が最後になる」 元中日・若松、BC栃木で2回0封の“開幕”

今季開幕戦に登板したBC栃木・若松駿太【写真:小西亮】
今季開幕戦に登板したBC栃木・若松駿太【写真:小西亮】

開幕戦となった埼玉武蔵戦に6回からリリーフ登板、2イニングを3安打無失点

 ルートインBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスの若松駿太投手が21日、今季の開幕戦となる埼玉武蔵ヒートベアーズ戦(栃木県総合運動公園野球場)に6回から登板。2イニングを3安打無失点に抑えた。2015年に中日で10勝を挙げた右腕にとって、NPB復帰に向けた挑戦の「ラストイヤー」と位置付けるシーズンが始まった。

 本来は先発だが、右肩不安からの病み上がりということもあり、中継ぎでのマウンド。6回は、どん詰まりの当たりなどで3安打を許したが、野手の好プレーにも助けられ本塁は踏ませず。続く7回は打って変わってわずか6球で3者凡退に仕留めた。最大の課題でもある直球の最速は135キロ。「無観客で開幕戦という独特な雰囲気がある中で、良くも悪くもという感じでした」。万全な状態でないながら、制球力と配球でまとめた。

 2018年限りで中日を戦力外となり、栃木に加入した昨季は、先発の柱としてチームトップの13勝を挙げてリーグ初優勝に貢献。シーズンMVPにも輝いた。NPBの舞台で一流の打者たちを手玉にとってきた宝刀チェンジアップは、独立リーグでも健在だった。シーズン後には自身2度目となる「12球団合同トライアウト」を受験。課題の直球は改善の兆しは見せたものの、NPB球団から声はかからなかった。

 開幕約1週間前の15日には、妻の沙苗さんとの結婚1周年の記念日を迎えた。「少しでも早く、さな(沙苗)を安心させたい」と原動力にもなっている。たとえ何年かかってでもNPBに戻りたい気持ちはあるが、現実的なリミットが迫りつつあるのも分かっている。「NPBを目指すっていうのは正直、今年が最後になると思う」。大谷世代の25歳にとって、分岐点のシーズンになるのは間違いない。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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