「まさかあんな凄い選手に…」四国IL徳島・吉田篤史監督が語るイチロー氏や憧れの門田博光氏

吉田監督「NPBに選手をどんどん送り出す。同時にチームも優勝する」

――徳島の監督になって、始動したとたんに新型コロナウイルス禍で、活動が制限されました。
「選手は試合がないと、お金が支払われません。だからアルバイトをしないといけない。でもその合間に練習もさせないといけない。グラウンドが使えなかったし、公共施設も使えたり使えなかったりだったので、練習をさせるのは難しかったですね。投手は、1日ごとに見てほしいといわれて、球場近くの小松海岸でトレーニングをしました。そういう形で、自粛期間中も体を動かしていました」

「独立リーグの選手は、自分たちだけではなかなか練習ができないんです。プロ野球選手はベテランになると自分で厳しい練習を課して、それができるようになります。でもその過程では、誰かに練習をやらされる時期もあるんです。僕もそうでした。やらされている時は嫌でしたが、その練習が基礎になって、自分でハードな練習ができるようになります。20代前半にしっかりやっておかないと、それ以後、練習ができなくなるので、この時期にしっかり鍛えたいですね」

――徳島の手応えはいかがですか?
「レベルは独立リーグでは高い方だと思います。僕はいませんでしたが、去年は優勝してドラフトでも3人を送り出しています。チームは、NPBに選手をどんどん送り出す。同時にチームも優勝することを目標にしています」

――他球団は「徳島が目標」と言っていますが。
「初めて聞きました(笑)。勝利とNPBへの選手輩出という2つの目標では、チームが勝つことを優先しています。NPBに行くことを優先すると、中には『いいところを見せたいのにバントか』みたいに思う選手が出てくるかもしれません。でも、チームの勝利が優先だということになれば、チームプレーが当たり前になります」

「チームが先にあって、その次に個人だよ、と言っているんです。その中で大きく働ける選手がNPBに行けるんだよ、と。ただ優勝を目指すためにベテランを使うことはしません。26、7歳になると野球はうまくなりますが、この年齢になるとNPBにはほとんど行けません。うちは10代から20代前半をメインに使って、今年も勝ちに行きます」

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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