“山陰のジャイアン”が選んだ指導者としての第2の人生 「野球界にずっと…」

ソフトバンク、DeNAを経験し「若い頃は“質より量”が大事な時がある」

――ソフトバンクとDeNA、セ・リーグとパ・リーグの違いは?

「どちらのチームも一長一短があります。ソフトバンクは、3軍でも年間100試合くらいしますし、施設も整備されていて、24時間練習できる環境も用意してくれます。1軍に上がれないというだけで、力をつけるには理想的な環境でした。また、DeNAとソフトバンクでは、選手とコーチのコミュニケーションの取り方が違いました。ソフトバンクでは、育成選手は、コーチから言われたことは有無を言わさずやらなければならない。『1000回バットを振れ』と言われたら、振らなければなりません。

 DeNAには、支配下選手で入団しましたから、練習量はソフトバンクほど多くはありません。またコーチが『どういうバッターになりたいのか』をヒヤリングして、アドバイスをしてくれました。自分が納得できる練習内容を、納得できるまでやることができるのがDeNAでしたね。今から思うと、若い頃は上から押さえつけてでも練習をやらせないと、つくべき力が付きません。“質より量”が大事な時があるんですね。量がこなせるようになってから、質の追及になっていくのがいい。そういう意味で、ソフトバンクとDeNAの両方で指導を受けることができたのは幸いでしたね」

――そしてDeNAで1軍昇格、プロ初安打に初ホームランも記録した

「1軍に上がれる保障はなかったですが、2軍で頑張って何とか昇格することができました。1軍公式戦初出場は、今、僕が在籍している愛媛マンダリンパイレーツの本拠地である坊っちゃんスタジアム(松山中央公園野球場)でした。また2年目にはホームランを打つこともできました。勢いに任せてやってきた部分もありましたが、自分の信念に任せて行動してよかったなという思いがありました」

――2018年オフにDeNAを戦力外、なぜ独立リーグでコーチを?

「もう一度現役生活を送ることを模索しましたが、それに並行して指導者の話もいただきました。また野球以外の話もいただきました。現場の選手と一緒にいると、まだできるという気持ちが起こりましたが、長いスパンで考えれば、野球界にずっと関わっていくには、指導者になるほうがいいと思いました。NPBの指導者になるのは簡単ではないですが、経験を積んでいけばそれも可能になるのではないかと思います」

 厳しいプロの世界で支配下から育成、そして支配下に這い上がり1軍でホームランも記録。現役としては一区切りをつけたが、“第2の人生”も野球を選んだ白根氏。後編では指導者として過ごす“今”を語っている。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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