ロッテの救世主になれるか? 藤原、高部に次ぐチームを救う若き逸材たちの現在地
昨季は1軍で112試合に出場した平沢だが…
2軍戦で確かな存在感を発揮していた先述の3人とは異なり、平沢は上位打線で継続的に起用されているものの、長きにわたって打撃不振に苦しみ続けている状況だ。打率、OPSをはじめ、各種の打撃成績においても苦悩の跡がうかがえる数字が並んでいるが、2年続けて打率.140台という点が、とりわけ深刻さを物語ってもいるだろう。
2018年には主に外野手として1軍で112試合に出場していたが、このシーズンでは打率.213に対して出塁率が.328と、往々にして制球の良い1軍の投手からも冷静に四球を選べる、優れた選球眼が最大の武器となっていた。その選球眼が現在も健在であることは、2019年以降の2軍での出塁率が2年続けて打率よりも.100以上高くなっていることからもうかがえる。
打撃不振の中でもひとつの持ち味は失っていないだけに、ボール球を見極めて打者有利のカウントを整えた際に、相手投手がストライクゾーンに置きに来た球に対して、強くコンタクトできるかが不振脱出のカギとなるかもしれない。そういった点では、昨季までは同様の課題を抱えていた菅野の活躍が、ある種のヒントとなるかもしれない。
菅野も元々優れた選球眼を有していたものの、1軍に上がると結果を残せない状況が続いていた。そのため、今季開幕前のキャンプにて、強いストレートを1球で捉えるための取り組みを行った。その結果、今季の菅野は、打者有利のカウントで投手がストライクを取りに来る球をきっちりと捉えられるようになり、1軍の舞台でも着実に成績を残している。平沢も課題を克服するきっかけをつかみ、悩める日々からの脱却を果たしてほしいところだ。