驚異の奪三振率15.52 早大・早川、監督も「ほんと、すげぇな」と驚く“無双の秋”

早大・早川隆久【写真:荒川祐史】
早大・早川隆久【写真:荒川祐史】

秋は26回2/3で46K、小宮山監督「相手が研究して工夫しても跳ね返している」

 東京六大学秋季リーグ戦は11日、早大のドラフト1位候補・早川隆久(4年)が東大戦で7回1失点(自責0)13奪三振の快投。今季3勝目を挙げた。これで今秋は救援を含め、26回2/3を投げて46三振を奪取。奪三振率は驚異の15.52となり、小宮山悟監督も止まらない秋の奪三振ショーに驚いた。

 研究していても打てない。もはや、早川はそういう次元にいる。この日は「マウンドの土が(前回と)入れ替わっていて、柔らかかった」と言い、初回先頭に味方のエラーで出したランナーを2死一、二塁から中前打で返してしまい、先取点を与える立ち上がり。しかし、エースは冷静そのものだ。「慎重に行き過ぎたところがあった。真っすぐでどんどん押していこう」と修正し、奪三振ショーを始めた。

 4者連続を含め、7回までに13三振を奪った。味方が追いついた5回には自らのバットでタイムリーを放ち、これが決勝打に。5、6、7回で計7点を奪って逆転すると、7回の打席で代打を送られ、早川はお役御免。自己採点は「50点」と厳しいものの、東大相手に格の違いを見せつけた格好だ。

 この日は1失点も自責は0で防御率も0.34に良化。最優秀防御率のタイトルが視野に入るが、それ以上に際立っているのは、奪三振数だ。今季初戦となった明大戦は9回17K、続く法大戦は連投となり、先発した初戦で9回13K、救援した2戦目で1回2/3を3K。4試合目の登板となったこの日を合わせ、26回2/3で46Kとなり、奪三振率は驚異の15.52になった。

 続く秋の奪三振ショー、これまで「無双」と表現していた元ロッテの小宮山監督もまた唸った。「三振をしようが、フェンスぎりぎりで捕る外野フライもアウトはアウトなので、そんなに騒ぐことはない」と冷静に語りながら「これだけ試合で投げて三振を取り続けているので、相手が研究して三振をしないようにと工夫していると思う。それをも跳ね返しているので『ほんと、すげぇな』って思いますよ」と価値を強調した。

 8月に行われた春のリーグ戦で最速155キロを叩き出し、一気にドラフト目玉候補に浮上。他5校も“早川包囲網”を敷きながら戦っているが、圧倒している現状。26日に行われるドラフト会議に向けたアピールを問われても「スカウト陣がどうこうより、自分は優勝を求めて戦っていくだけ」と平静を貫いた早川。早稲田の背番号10は、ただ18メートル先にいる打者を抑えることに集中している。

(神原英彰 / Hideaki Kanbara)

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