NTT西日本、酒井の逆転2ランで8強入り 亡き友に捧げる一発「優勝して恩返し」

お立ち台に上がるNTT西日本・酒井良樹(左)【写真:鳥越涼芳】
お立ち台に上がるNTT西日本・酒井良樹(左)【写真:鳥越涼芳】

ドラフトで指名漏れの大江が6回1/3、3安打1失点の好投「チームが勝てたことが一番」

 第91回都市対抗野球大会は28日、第7日目の第1試合が行われNTT西日本がホンダ鈴鹿に7-3で勝利し8強入りを決めた。NTT西日本は「1番・DH」で先発した2年目の酒井良樹内野手が3回に逆転2ランを放つなど活躍した。

 酒井は23日に行われた東芝との1回戦にも先発出場したが、結果は5打数無安打3三振とノーヒットに終わったがこの日は違った。1点を追う3回1死二塁の場面で打席に立つと「チームの力になれなかった。何としても結果を出したかった」と、浮いたカーブを捉え打球は右翼席に飛び込む逆転2ラン。「完璧でした」と決勝弾の手応えを口にし、はにかんだ。

 試合をひっくり返したこの1本が、入社2年目の酒井にとって都市対抗初安打となり「ようやく1本出て、気持ちがラクになった」と胸をなでおろした。この日は第4打席にも中安打を放つマルチヒットの活躍で、チームの8強進出に貢献。ヒーローインタビューに呼ばれると背番号「6」のユニフォームを手にマイクの前に立った。自身の同期で4月に骨肉腫のため亡くなった中井諒さんのユニフォームだ。「チームがひとつになって、勢いが出ている。中井のためにも優勝して、恩返ししたい」と力強く誓った。

 投げては、2年目のエース・大江克哉投手が2回2死二塁のピンチで救援。1番・松本桃を一邪飛に打ち取り相手の反撃の芽を摘むと、その後は6回1/3を投げ3安打1失点と試合を立て直し勝ち投手に。今秋のドラフト上位候補と言われながらも指名漏れを味わった大江は「今はチームが勝てたことが一番嬉しい」と話し、「個人的にはもっと三振を取れればいい」と、次戦以降の課題も口にしていた。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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