元広島・西田監督率いるセガサミーが4強敗退「富士山の頂上までもう少しだったけど…」

セガサミー・西田真二監督【写真:鳥越涼芳】
セガサミー・西田真二監督【写真:鳥越涼芳】

タイブレークの延長10回に痛恨の満塁弾を被弾

 2日に東京ドームで行われた第91回都市対抗野球大会準決勝で、初の決勝進出目指すセガサミーはホンダに2-6で逆転負けを喫した。タイブレークで行われた延長10回に痛恨の満塁弾を被弾。元広島で今季からチームの指揮を執る西田真二監督は「ここまできたので、選手たちを決勝戦まで行かせたかった」と肩を落とした。

 1点リードで迎えた9回、勝利まであと2死のところまでまでこぎつけたが、一塁手の失策から同点に追いつかれ、試合はタイブレークへ。今大会無失点だった守護神・陶久が続投もホンダの4番・佐藤に満塁弾を浴び、勝ち越しを許した。西田監督は「野球は流れがあるゲーム。選手たちは一生懸命やったし、エラーは責められない。1球の怖さ。そこだけでしょう」と唇を噛んだ。

 早い回から主軸に代打、代走を躊躇なく送り、先発投手を引っ張ることもしない。4試合で同じオーダーは一度も組まず、対戦相手とのシミュレーションを重視した。チームの状態を細かく掌握し、勝負所では惜しみなく選手を送り込む。西田マジックともいえる采配でチームの快進撃を演出した指揮官。「よくやってくれた」「期待に応えた選手がすごい」と随所で選手を称え続けた。

 現役時代は高校、大学、プロで日本一を経験し、四国ILでは14年間監督を務めた日本一を知る男だ。就任1年目でチームを都市対抗本戦に導いたが、日本一まであと一歩のところで力尽きた。「富士山の頂上までもう少しだったけど、残念ながら下山してしまった」。最後まで、西田節は健在だった。

 東京2次予選第一代表決定トーナメントの初戦では、JR東日本投手陣に対して5本塁打を放ちながらも1イニング8失点を喫すなど力負け。それでも第3代表を勝ち取って本戦に出場すると、初戦では広島のドラフト1位・栗林良吏投手を擁するトヨタ自動車を撃破。勢いに乗ってチーム最高成績のベスト4まで駆け上がった。西田監督は「今回はいい流れできていた。決勝戦まで行かせられず申し訳ない」と話し、「これで(決勝に)行かなきゃ、話にならない」と悔しがった。

 補強で獲得した大内(JPアセット証券)、小野田(東京ガス)は連日スタメンに名を連ね、三宮(明治安田生命)は勝ちパターンの一角を担うなどチームの快進撃に大きく貢献。指揮官は「セガサミーに溶け込んで、よくがんばってくれました」と助っ人たちを労った。念願の優勝まであと一歩届かなかったが、投手では2試合に先発した草海ら若い投手が台頭。収穫はあった。今年かなえられなかった夢は来年に持ち越されることになった。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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