最強パ・リーグの“アーチスト”は誰? 滞空時間で見るNo1打者は楽天助っ人
弾丸ライナーの印象が強いあの助っ人が4位
続いて、4位にはソフトバンクのデスパイネ外野手が入ってきた。今年の日本シリーズでも第2戦で満塁ホームランをかっ飛ばすなど、存在感をみせつけている選手だが、ランクインした6秒82という滞空時間の長い本塁打を打っていたことついては、5位の柘植とは逆に驚いている。
デスパイネといえば、どちらかというと地面とほぼ平行なバット軌道によるレベルスイングで、ホームランのときも低い弾丸ライナーが多いという印象があった。そのため、このときはどのような打ち方をしているのだろう? と動画を凝視したところ、若干体が上に向いているものの、ボールの少し下側を「こすった」打球であった。なるほど、それなら納得。かなりレアなケースと思われる。
きっと、並の選手であればスタンドまで届かなかったと思われるが、さすがの腕っぷし。パワーのある外国人選手ならではの芸当といえるだろう。
俊足で鳴らすFA選手が3位に
今季、フリーエージェントを宣言してソフトバンクからロッテに移籍した福田秀平外野手が、7秒超えの7秒01という滞空時間で3位に入ってきたのも意外な結果だ。福田といえば、類まれなスピードの持ち主であることが知られており、タイム計測の世界においては、打ってから一塁ベースに到達するまでの「かけ抜けタイム」で常に3秒台をキープする上位の常連である。
ところが、今回は打撃面の、しかもホームランの滞空時間である。まあ、滞空時間の長いホームランを打つには豊かなスイングスピードが不可欠であり、一応、「スピード」という単語がつくのだが。とはいえ、パワーを連想させるこの部門で入賞してくるとは思わなかった。フィジカルに関することには何にでも入ってくるなぁ、と感心するばかりである。
ここでようやく「入って当然」と思える選手が期待通りに入ってきた。120試合制ではあるが打率.342を記録し、29本塁打を放ったソフトバンクの柳田悠岐外野手が7秒13という滞空時間で堂々2位につけた。
現役選手でありながら、すでに伝説的な打球を何本もかっ飛ばしている柳田については、もはや言うことはあるまい。体がねじ切らんばかりのフルスイング。一度振り下ろしたバットをかち上げるようなフィニッシュとあらば、バットにボールにうまく乗ったときに果てしなく高く飛んでいく。
敵は故障だけ。もちろん、相手バッテリーのマークは年々厳しくなっているのだろうが、五体満足であれば、それを跳ねのけて打ち続ける「全盛期」がまだまだ続く気配だ。