リーグ最多32度の逆転負けを喫した楽天 今季の成果と課題を振り返る【投手編】

序盤は好投も…則本昂大は自身ワーストの防御率

 昨季は右肘のクリーニング手術の影響で後半戦からの復帰となり、自身ワーストとなる5勝にとどまった則本昂。2年ぶりに開幕投手に復帰した今季は「20勝」を掲げ、人一倍チームの日本一に強い気持ちを持っていた。そしてその熱意は序盤、結果を伴う。ノーワインドアップの新フォームに適応し、開幕戦から3戦3勝、防御率0.87と誰もがエースの復活を確信しただろう。

 しかし、シーズン中盤に入ると調子が下向きに。大量失点も目立ち、およそ1か月半にわたって勝ち星が付かない苦しい時期も続いた。投打がかみ合わない不運もありつつ9月以降失速するチームの流れを変えることはできず。18試合に登板して結局昨季と同じ5勝、防御率は自身ワーストの3.96と悔しさが残るシーズンとなった。

 9月4日のオリックス戦では、3回裏終了後にベンチ裏で転倒して緊急降板、チームを一時離脱するなど投球内容以外でも反省点が残った。しかし、いつまでも引きずってはいられない。チームもファンも背番号「14」の完全復活を待っている。7年前はルーキーとして日本一を経験したが、今度は文句なしのエースとしてチームを頂に導きたい。

 連敗が続き、チームが苦しくなってきたシーズン終盤に力を発揮したのが岸孝之投手だ。序盤は7月4日のロッテ戦で初登板初白星を挙げて以降、変則日程で調整が難しかったためか思うような投球ができず。7月20日に登録を抹消され、長期間チームを離脱した。しかし、9月20日のソフトバンク戦で約2か月半ぶりに2勝目を挙げると、そこから調子は上向きに。失速するチームを頼もしくけん引した。

 圧巻だったのは、10月に入ってからの投球だった。6試合に先発し、2完投1完封を含む5勝0敗、防御率1.38。10月・11月度の月間MVPを受賞し、来季に大きな期待が持てる形でシーズンを締めくくっている。

先発、中継ぎ、抑え…すべてを経験した背番号「1」

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