鷹・周東、目指すハム西川との“差”はどこに? 鍵は「ボール球」と「コンタクト率」
ボール球に手を出す割合などが周東は西川に比べて高い
2人の打撃内容を見てみると、ここにも大きな違いが見える。まず、ストライクゾーン外のボールをスイングした率を示す「O-Swing%」だ。西川の15.2%に対して、周東は28.4%にのぼる。まず、ボール球に手を出す確率が、周東は西川に比べて高いことが分かる。
さらに、このボール球に対してスイングした際にバットに当てた率を示す「O-Contact%」も西川が67.6%の割合でバットにコンタクトさせているのに対し、周東は56.0%と10%ほど落ちる。ストライクゾーン内のコンタクト率「Z-Contact%」も西川が91.0%で、周東の86.8%を上回る。スイング全体における空振り率「SwStr%」も西川の4.8%に対して、周東は11.1%と高い。
こう見ていくと、周東にとっての課題はいかにボール球に手を出さず、そして、スイングした際にはボール球、ストライク球に関わらず、よりコンタクト率を高めることが求められる。なお、打球のゴロとフライの割合は双方にさほど大きな差はない。
驚異的な俊足を誇る周東だけにバットにさえ当たれば、内野安打の可能性も高まるはず。ボール球の見極め、そして、コンタクト率を高めて空振りを減らすところにも、打撃成績を向上させるポイントがありそうだ。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。