「すごく自分の財産に…」 ロッテ藤岡に響いた平成の3冠王・松中コーチの教え

今キャンプでは打力アップに力を注いでいる【写真:荒川祐史】
今キャンプでは打力アップに力を注いでいる【写真:荒川祐史】

松中・臨時打撃コーチに師事「技術だけじゃなくて精神的なところも噛み合わないと」

 沖縄・石垣島でのキャンプも泥臭く過ごした。平成唯一の3冠王として知られる松中信彦・臨時打撃コーチに打撃指導を仰ぎ、「この時期しか、あそこまで追い込めることはない」とティー打撃などで体に染み込ませた。

「松中さんも積極的にアドバイスをして下さるし、自分の思っていることと一致しているのもあって、すんなりと入ってくる。あれだけの成績を残していらっしゃる方のアドバイスは、すごく自分の財産になります」

 具体的にポイントを置いたのは「軸足の使い方」だ。両脚の内側を意識しながら、ボールを押し込むようにバットで捉える。松中臨時打撃コーチのアドバイスは、「もう1つ、ボールを押し込めていない実感があった」という藤岡にピンポイントで響いた。

 通算352本塁打、1168打点、首位打者2度、本塁打王2度、打点王3度。子どもの頃、テレビの中で活躍していた“レジェンド”からアドバイスを受け、「技術だけじゃなくて精神的なところも噛み合わないと、ああいう成績は残せない。純粋にすごいな、と感じさせられます」と頷く。

 入団以来、チームは少しずつ順位を上げ、昨季はリーグ2位でクライマックスシリーズ(CS)に進出した。今季目指すは優勝のみ。「練習する量が増えたと思います。選手一人ひとりが自分の時間を大切に、有効に使っているのを感じます」。CSで敗れ、日本シリーズに進めなかった昨季の悔しさを、チーム全体が今季の原動力に変えている。

 チームを11年ぶりの日本一に牽引するべく、今季はひと味違った藤岡裕大の姿が見られそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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