「よく分からない打ち取り方」って? 鷹の開幕投手・石川柊太の独特の考え方とは…
「真ん中付近で打たれなかったって、それってよく分からないじゃないですか」
投球する際、ストライクゾーンを9分割にする、とよく言われる。テレビ中継などを見ていても、ストライクゾーンはコース、高さで9分割にされている。だが、マウンド上にいる石川の頭の中では2分割。内か外か、もしくは高いか低いか、しか深く意識していないという。
真っ直ぐ、変化球どちらにしてもボールの力があるからできるスタイルなのかもしれない。石川自身も「ボールの吹き上がりだったり、シュートしたり、(ボールの動きにも)ムラがあったり、カーブがあったり、フォークがあったり、投球リズムがあったり。色んな要素があって、真ん中付近でも打ち取れるっていう感覚なんじゃないかな。自分としては甘かった、でも打ち取った、というのはシーズン中でもよくあることなんで」と言う。
確かに石川のストレートは150キロを超え、なおかつシュート回転気味で手元で動く。これに加えて武器とするパワーカーブやフォーク、そしてスライダーとカットボールの中間のような球である「スラット」もある。そして異常なほどに早い投球テンポでも打者を幻惑する。その結集として実現する“よく分からない打ち取り方”なのだろう。
「昨年、真ん中付近に投げたボールで1番打ち取ったのが多かったらしいんで。真ん中付近で打たれなかったって、それってよく分からないじゃないですか。そういうことです」と言う石川。5年連続の日本一を目指すソフトバンクで開幕投手を託された石川柊太。その独特の感性に注目しても面白い。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)