監督も驚いた…サヨナラ勝利導いた重盗は「ノーサイン」 大会唯一・国立大の“頭脳”

「ノーサイン」は2015年から、「選手らが考えて野球の本質を話し合う」

 2008年に和歌山大の指揮を執り始めた大原監督は、2015年から「ノーサイン野球」を徐々に導入していった。全日本大学選手権初出場の2017年は3割ほどサインを出していたが、今年は試合中のサインはゼロ。“選手が考える野球”を促す。

「パワー野球ではなかなか勝てない。レベル高い選手が集まってくる環境ではないため、私がサインを出すよりも、選手らが考え、野球の本質を話し合いながらやっていく。自分たちでしかけていくのが大事だと気づきました」

 当然、難しさはある。この日3打点の柏田は「最初は監督からの指示がないからやりたいことをやっていいと思っていました。今は、相手の状況や味方の状況を理解して話し合いながらやっています」と話す。

 次戦は9日、東京六大学王者の慶大と対戦。国立大の1大会最多勝利は、1998年の京都教育大と2010年の北海道大の2勝。“タイ記録”、そして2017年以来2度目のベスト8へ向け、陸の王者にノーサインで挑む。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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