未来ある野球少年少女を守るため ポニー全国大会で肩肘検診室「中学野球は通過点」
将来を見据え「ここで大怪我をして次に進めなかったらもったいない」
選手に語りかける古島医師の言葉に真剣に耳を傾けるのは、チームを率いる三浦文雄監督だ。指導歴25年を誇るベテラン監督は選手全員のエコー画像を確認。「子どもたちに怪我だけはさせたくない。今、肘がどういう状況にあるのかが分かれば、それぞれの選手を指導する時の参考になります」と大きく頷く。
古島医師のポニーリーグ理事就任をきっかけに、子どもたちの故障に対する意識が高まったという三浦監督。チームが拠点を置く埼玉・行田市から慶友整形外科病院まで車で40~50分ということもあり、選手から「痛い」「張りがある」の声が聞こえると、すぐに慶友整形外科病院での診察を勧めるという。
「痛いと言ったら無理はさせません。休んで治る怪我であれば休めばいい。中学野球は通過点ですから。ここで大怪我をして次に進めなかったらもったいないですよ」
中学1年生で入団するや否や、肩肘の痛みを訴える選手も少なくない。「本当は小学6年生で夏の大会が終わった後に肩肘検診を受けて、中学入学までに治してくれるのがいいんですけど」と話すが、来年からは入団したらすぐに肩肘検診を受け、故障歴も含めて選手の健康状態を確かめた上で指導にあたる予定もあるそうだ。
「チーム全員の状態が確認できる、またとない機会」と今回の肩肘検診相談室を利用した三浦監督だが、古島医師は「故障に対する意識を継続して持ってもらうことが大切。こういう機会を積極的に利用してほしいですね」と話す。
ポニーリーグの頂点を決める全日本選手権の舞台裏では、大人による子どもたちの健康を守る努力が積み重ねられている。
(Full-Count編集部)