侍Jの鷹甲斐が最速か? 西武森や楽天太田も台頭…パ捕手二塁送球ポップタイム5傑

楽天・太田が1秒80、西武・森の1秒78は源田との“コラボ”による成果

 自身3年目の今季は開幕から正捕手として期待され、球宴までの88試合中、72試合に出場した楽天・太田光捕手。打撃面では苦労が続いているが二塁送球は確実に成長しており、1秒80という会心のポップタイムを披露した。

 太田の素晴らしいところは、捕球したあとにボールをミットから右手に持ち替える動きが送球の動きと流れるように連動していて、一切の無駄がないところにある。おそらく、こ5月12日の西武戦の盗塁刺は会心の送球だったに違いない。走者はパ・リーグ盗塁王を2度獲得した経験を誇る金子侑司外野手だったが、これほどの送球をされると、どんな韋駄天でも二塁を盗むのは難しくなる。

 2019年シーズンMVPを受賞した森友哉捕手(西武)は、どちらかというと「打てる捕手」という印象が強い。だが、本人はあくまで捕手として自分のプレーが評価されることを一番の望みとし、日々研鑽を積んでいる。その成果が現れたのが5月14日のロッテ戦で記録したポップタイム1秒78という数字だ。

 これほどの好タイムが出た背景には本人のスキルアップはもちろんのこと、走者にタッチした源田壮亮内野手の高い技術があることを忘れてはならない。森の送球はショートバウンドするほど低いところへ行った。並の内野手だと、プロであっても少し前方でバウンドする前に捕球したくなるのが心情だ。

 ところが、それだとタッチが遅れてしまうため源田はグラブを少し浮かせてから地面に押し付けるようにして、捕球したところにスライディングした足がちょうど来る、いわゆる「ゼロ秒タッチ」を狙って実現してみせた。このプレーは少しでもタイミングを誤ると、グラブと地面の間をボールがすり抜けてしまい、後逸してしまうリスクがある。確かな技術がなくてはできないプレーであり、これほど鮮やかに捕球できる内野手はプロでも限られるだろう。

 捕球できなかったら素早い送球をしてもタイムにはならない。それを考えると、森と源田の共同作業によって成し得た1秒70台であり、盗塁阻止だったといえる。ここまでが5位から3位の数字となる。

甲斐の二塁送球は制球も抜群

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