「ナックル姫」と「安打製造機」 初の“女子野球日本一”を支えた2人の兼任コーチ

広橋監督「僕と選手の橋渡し役になってくれている」

「ナックル姫」と呼ばれ、男性とともにプレーする初の女子プロ野球選手となった吉田。ヤクルト・川端慎吾内野手を兄に持ち、女子プロ野球「埼玉アストライア」などに所属して首位打者4度、通算打率.373をマークした川端。2人は共に女子野球界を盛り上げてきた存在だ。

「1番練習するから若い選手もそれに続くし、チームとしても引き締まる」と広橋監督が評価するように、川端は主に3番に座り、準々決勝で決勝打、準決勝でも適時打を放ち勝利に貢献。吉田も出番こそなかったが、指導した投手が4試合で計1失点と好投。磐石な投手王国を築き上げた。

「あの2人には『選手8、コーチ2でいい』って言っているんですよ。でも、僕と選手との橋渡し役になってくれています。(吉田は)ベテラン投手にもかかわらず、出番がなくても球を磨いてくれてね。その背中を見ているから選手もついてくる」。指揮官の口から賛辞の言葉が尽きることはなかった。

「女子野球を盛り上げていくためにも、強いチームがしっかりしていなくてはならない」。そう意気込む広橋監督が求めるのは「女子指導者を充実させること」。だからこそ、女子野球界の“レジェンド”ともいえる存在の2人がコーチを務めるエイジェックは勝利を求める。

 次の目標は、10月開催予定の全日本女子硬式クラブ野球選手権。日本一の余韻に浸る間もなく、今月15日から予選に臨む。「自分たちが勝つことでその取り組みをしっかり証明させないとね」。クラブ選手権では、ライオンズ・レディースや阪神タイガースWomenなどがリベンジを期して臨むだろう。最強の兼任コーチ2人を擁し、女子硬式野球の頂点に立ったエイジェック。使命感を胸に次なる戦いに挑む。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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