今季ワーストの8失点… 苦しむダルビッシュがプレート位置をわずかに変えたワケ
4回にプレートの踏む位置を三塁側へと移した意図とは…
「真っ直ぐとか全体的なコントロールがけっこう散らばってる中で、向こうがその球をちゃんとファウルにして、甘い球を待ってたという感じでした」
本来のバランスとタイミングを掴めない投球は、2019年のカブス時代の同カードに並ぶ自己ワーストタイの4被弾につながり、うち2発はいずれも甘く入る8球目の速球だった。ただ、打ち込まれる中で、光を見いだそうとするダルビッシュらしい取り組みがあった。
4回、7番ヤストレムスキーを左打席に迎え、ダルビッシュの右足に変化が見て取れた。プレートの踏み位置を三塁側へと移した。これまでずっとプレートのほぼ中央に置かれていた軸足のつま先が、長さ約61センチのプレートの右端と並んだ。その意図を聞くと、こう返ってきた。
「昔はずっとサード側から投げていたので、1回ちょっとそっちから投げたらどうなんだろうと、投げてみたんです。やっぱりあそこから投げると、左のインコースのツーシームが投げづらく感じるし、スライダーのバックドアは引っ掛けた感じでも(いい所に)行くんですけど。対左にはちょっとやりづらいかなという感じがあったのでそこでやめました」
初回に5点を失ったものの、なんとか踏みとどまるための模索をヤストレムスキーで試みたが、結果は3本目の本塁打となった。
ダルビッシュは続けた。
「(マウンドからの)見た目も変わるのでちょっと(踏み位置が)ズレるだけで。それによって何かいい感覚が出てきたりするかなと思ったんですけど。対右に対してはすごく効果はあると思いますけど。左はちょっと嫌だなという感じがしますね……」