燕・奥川に息づく「俺はダメだ」の精神… 悩む戦友が突き動かされた“向上心”

東海大・東海林航介【写真:川村虎大】
東海大・東海林航介【写真:川村虎大】

東海大の東海林は代打でチームのピンチを救う“フェン直”適時打を放つ

 打った瞬間はスタンドインを確信していた。ゆっくりとダイヤモンドを回ろうとしたが、思い虚しく打球はフェンスに直撃。東海大の東海林航介外野手の豪快な打球は“フェン直単打“となったが、チームの窮地を救う貴重な一打となった。

「いったと思って歩いていたんですけど……」。そう言って少しバツ悪そうに笑う。

 19日に神奈川・等々力球場で行われた首都大学野球1部リーグ・桜美林大戦。序盤は桜美林大優勢のゲームだったが、東海大は7回、8回に1点を取って、その差を詰めた。そして、2-4と2点を追う9回無死満塁のチャンスで代打で打席に立ったのが東海林だった。

「井尻(陽久)監督と目があったんです。その時に『行くんだな』と感じました」。覚悟はできていた。打席では自然と落ち着いていた。フルカウントからの6球目。高めの直球を叩いた。打球は高々と舞い上がり、フェンスに直撃。二塁走者はタッチアップの準備をしていたため、1点止まりだったが、その後、チームは土壇場で同点に追いついた。

 星稜高(石川)時代は2年春から4季続けて甲子園に出場。2019年夏には1番打者としてチームの準優勝に貢献した。東海大に進学し、1年秋には5試合レギュラーとして出場したが、打ったのは、わずか2安打。木製バットの壁にぶち当たった。

悩んでいた東海林の支えになったのは、星稜高の同期・奥川だった

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