高校時代はプロ注目も志望届は出さず… 桜美林大の新人右腕が初先発で得た手応え
「木製バットは芯を外せば飛ばない」
春季リーグはベンチ外。初めて登板機会を得た山梨学院大とのオープン戦では救援で5点を失った。制球が定まらず、高校時代の投球が通用しなかった。
「すごいショックで悔しくて……」と振り返るが、自分を見つめ直す良い機会にもなったという。制球改善のためにフォームを試行錯誤。ワインドアップからセットポジションに変更すると、徐々に思うところに投げられるようになった。
「大学の方が投手有利ですよね。木製バットは芯を外せば飛ばない」。カットボールやスプリットに近いフォークなど、変化量の少ない球種を武器に大学野球に順応し、秋季リーグでメンバー入りを果たした。
この日も、カットボールを中心に打たせて取る投球を徹底。三振は1つだったが、打たれた安打は全て単打で、外野の頭を越えるような打球はなかった。桜美林大はこの日の敗戦で3敗1分。春とは異なり苦境に立たされている。「一戦一戦やっていくしかないです」。期待のルーキーが、苦しむチームの救世主になれるか。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)