4試合で3完投、ロッテ小島“覚醒”の裏にトレードの存在… データが明かす劇的変化
奪三振率は高くない、典型的な「打たせて取る」タイプの投手
次に、年度別の各種指標について見ていきたい。
2019年の奪三振率は7.45だったが、年を経るごとに低下。また、K/BB(奪三振と与四球の比率)も2年続けて1.00台と、かなり低い水準となっている。また、与四球率は決して良いとは言えない水準。それでも、2020年に比べれば2021年の数字は0.5近く向上しており、改善の兆しは見られる。そうした制球力向上の傾向が見え始めたのも、9月以降の好調と同じタイミングとなっている。
ここからは、2021年の成績で「8月以前」と「9月以降」の2つの期間に分けて見ていきたい。
奪三振率に関しては大きな違いは見られない。しかし、防御率は段違いに向上していることに加え、課題の与四球率も1.93と素晴らしい水準に達し、“四球を出さない投手”へと変貌を遂げつつある。K/BBも8月以前は1.66と例年並みだったが、9月以降は3.25に。奪三振率自体はほぼ変化していない点を鑑みても、与四球の大幅な減少が各種の指標に対しても好影響をもたらしていることは間違いない。
続けて、今季バッテリーを組んだ捕手別の成績を見ていきたい。
田村龍弘捕手とはここまでで最も多い8試合でコンビを組んだものの、防御率5.53。捕手別では最も悪くなっている。また、佐藤都志也捕手とでも防御率4.76と打ち込まれており、相性はさほど良くない。この2選手に比べれば、柿沼友哉捕手とは4試合で2勝負けなしと相性は良いが、それでも防御率は4.18という数字にとどまった。
そんな中で、シーズンに中日からトレードで加入した加藤匠馬捕手との抜群の相性は特筆もの。6試合で5勝0敗、防御率1.66という驚異的な数字に加え、与四球も43.1イニングで8個のみと激減。9月以降の成績の改善には、加藤という頼もしい相棒を得られたことが大きく寄与していると考えられる。