「頂点を、つかむ。」 ロッテ井口監督が明かすスローガンに込めた強い想い

ロッテ・井口資仁監督【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・井口資仁監督【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

今季キーポイントの1つは「チームプレーの精度」

 2022年、我々が目指すものは1つしかありません。「優勝」です。今季のチームスローガンは「頂点を、つかむ。」。河合(克美)球団社長をはじめ、いろいろな方とスローガンを決めるための話し合いをさせていただいた時、「今年はこれしかないだろう」と全員の想いが一致しました。選手とファンの皆さんにしっかりと思いが伝わるものにしたい。そして、昨年あと一歩で届かなかった悔しさや、我々だけではなくファンの皆さんも感じている。なので、「つかみ取る」ではなく「つかむ」という短い言葉で想いの強さを表しています。

 シーズン最終盤まで優勝を争いながら141試合目で逃した悔しさを、僕はまだ消化してはいません。この悔しさは消化せずに持ち続けなければいけないもの。それが今年の原動力になるわけです。僕は悔しいという気持ちの中には、自分を成長させるための前向きな要素が詰まっていると思います。選手たちもあの悔しさを絶対に忘れてはいけないし、リセットしてはいけない。昨年の経験を生かしてこその今シーズン。悔しさと同時に、最後まで優勝争いできる力がついたという自信は大きな収穫でした。

 昨年は若手選手たちが1軍での経験を積みながら、中堅、ベテランとの上手く融合する中で優勝争いができました。そこから先に進むには、今年は若手が結果を残さなければいけません。ある程度は我慢して成長を見守る姿勢も必要ではありますが、今年は若手にしっかり結果を求めさせていきます。キャンプではA班に若手を多く抜擢したことで、中堅の尻に火が着き、いい意味での競争が生まれています。まだ、誰もレギュラーは確定していませんから、開幕まで大いに争ってもらいたいものです。

 選手個々のレベルアップを図ることはもちろんですが、今年はチームプレーの精度を上げることも1つのキーポイントだと考えています。キャンプイン前日のミーティングでも全員に伝えました。牽制プレーや投内連係、外野からの中継プレーなど守備だけではなく、打撃でも点ではなくて線、面として畳みかけられるか。そこが徹底できずに落とした1勝2勝が、優勝できなかった原因だと考えています。勝てるはずだったのに……という試合は極力減らさなければいけません。

 キャンプイン前日のミーティングでは、目標設定の仕方についてアドバイスを送りました。選手がそれぞれ掲げた今シーズンの目標をどうやって実現させるのか。1年を通じての大きな目標を自分なりに少し噛み砕いて、半年、1か月、あるいは1週間という単位の小さな目標に変換してみるといいと思います。小さな目標をクリアし続けた結果、大きな目標が達成できているという流れです。シーズン中には必ず迷う時があります。そんな時でも自分のクリアできそうな範囲に目標を置いておけば、自分がやるべきことが見えてくるし、ブレることはありません。

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