甲子園優勝が「頑張る原動力に」 大学では3登板の苦難を糧に社会人野球へ
ENEOSで「日本一になるために必要な投手になりたい」
高校で130キロ中盤だったストレートのアベレージは140キロにアップ。カットボール、スライダー、チェンジアップも「自信を持って投げられる球種になった」とうなずく。上体が強かった投球フォームを3年冬に下半身主導に変え、4年春には最速を143キロに更新。「そういう意味では、まだ伸びるかなと思っています」とさらなる成長を誓う。
大塚監督は「綱脇の存在は大きかった。人としても練習態度も素晴らしい。同級生、後輩に与える影響が大きかった」と姿勢を称える。「ENEOSの大久保(秀昭)監督も『技術だけでなく、人として魅力を感じた』と言ってくれた」と嬉しそうだ。
リーグ通算15勝を挙げた椋木やリーグ戦に28試合登板した三浦瑞樹(ソフトバンク育成4位)のようにチームの勝敗に関わる機会は多くなかったかもしれないが、野球に取り組む姿勢でチームに好影響を与えた。同級生31人の内、卒業後も野球を続けるのは20人。硬式の社会人野球には12人が進む。「全国にいるので、しのぎを削って対戦できたら」と、その日を心待ちにする。
「気持ちが折れそうになることもあったのですが、あの経験があったから頑張れました。高校の時に甲子園で優勝したんだから、まだまだやれる。綱脇というピッチャーはこんなところで終わってはダメだって奮い立たせていました。甲子園優勝というのは頑張る原動力になっています。ENEOSという素晴らしい企業の野球部に入れるということで、どんな形でもチームに貢献したい思いが強くあります。日本一になるために必要なピッチャーになりたいですね」
高校野球で全国制覇という最高の結果を得て、大学では激しい競争の中で苦悩したが、その全てが野球人生の糧になる。都市対抗野球で最多11回の優勝を誇るENEOSで目指す日本一。そのピースになるため、右腕を振る。