中学時代は7、8番打者→プロで2012安打 田中幸雄氏が子どもの頃に取り組んだ練習

高2までは本塁打“なし”も、身体が大きくなった高3だけで30発

 プロで活躍する選手の場合、小中学生時代は「4番でピッチャー」だったと思われがちだ。通算2012安打、287本塁打を放った田中氏の場合、宮崎県都城市立中郷中時代の打順は7番か8番だった。中3夏の野球部引退時の身長は162~163センチと小柄。都城高入学時には172センチになったが、当初はノーステップでコツコツ当てる打撃で、打球はセンターから右方向に限られていたそうだ。

 その後も身長は伸び続け、高3時には182センチに。それに伴ってパワーもついた。ステップして踏み込んで打つことを覚えると、打球の飛距離は格段にアップ。それまで1本も打ったことがなかった本塁打を、高3の1年間で30発量産した。その年、日本ハムにドラフト3位指名されるに至った。

「飛距離が伸びたことに、自分が一番びっくりしました。あれがなかったらプロには入れていない」と苦笑する田中氏。自身の経験から「小中学生時代は成長段階ですから、その先どうなるかは誰にも分からない」と強調する。夢を諦めずに努力を重ね続ければ、思わぬ形で道が開けることもあるという見本だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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