“女子のセンバツ”で響いた美声アナウンス 現役選手の女子大生が届けたかった思い

平成国際大女子硬式野球部・井上愛海さん【写真:編集部】
平成国際大女子硬式野球部・井上愛海さん【写真:編集部】

選手はアナウンスに違和感を覚えると「打席で気が散ってしまう」

 今年で2年目のアナウンス担当となった井上さんだったが、前日には発声練習と早口言葉の練習をしてから試合に臨んだ。選手としてプレーしているときに、聞こえてくる名前が間違っていたり、イントネーションが違うと、打席で気が散ってしまう気持ちがわかるからこそ、仲間と何度も名前を確認してアナウンスを行った。

「風が強い日は、聞き取りやすいよう意識してアナウンスをしました」。後輩たちが気持ちよくプレーができるよう、選手としての気持ちを大切にアナウンスしている。

 井上さんは、加須きずなスタジアムで行われる準決勝までアナウンスを担当した。

「東京ドームで野球ができるという大きな目標に向かって戦える選手が正直、羨ましいですが、女子が野球をする環境がどんどん整ってきて本当に嬉しいです。母校は負けてしまったのでアナウンスができなかったですけど、選手が全力でプレーできるよう、私たちも最後まで頑張ります。決勝戦は有観客なので、選手が笑顔でプレーしている女子野球を、ぜひ多くの方に見てもらいたいです」。

 彼女たちの献身が、未来の女子選手たちの力になる。

(小倉星羅 / Seira Ogura)

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