佐々木朗希にとって「完全試合はスタート」 井口監督の目に映る果てしない可能性

レギュラー不在の打線=若手にとって大チャンス

 その一方で、打線は得点が挙げられずに苦しんでいます。チーム盗塁数は12球団トップの32個ながら、チーム得点圏打率が2割1分5厘では得点は入りません。打線不調の主な理由は、レアードとマーティンの調子が上がらないこと。本塁打と打点を両外国人選手に依存しているチーム事情が、改めて浮き彫りになりました。

 今季3年目のマーティン自身、一生懸命考えながら練習に取り組んでいますが、他球団から研究されていることも事実。もちろん僕らもサポートしますが、不調は本人が越えていかなければいけないところ。いったん登録を抹消し、復調のカギを掴むことに専念させようと思います。

 打線の起爆剤となる荻野貴司と藤岡裕大の不在も響いていますが、視点を変えて現状を見てみると、他の選手にとってはレギュラーの座を掴む大きなチャンスと言えるでしょう。開幕して間もない時期に、こういったチャンスが巡ってくることは少ないもの。若手選手はどんどんアピールしてほしいし、もっと伸び伸びやってほしいと思います。

 僕は現役時代、打撃の調子が上がらない時は自分のフォームを映像で確認しつつ、体のキレを取り戻すために不調な時こそランニングをしました。それに加え、コンパクトなスイングで逆方向を意識しながらバットを振り込みましたね。

 中には、不調の時は一切バットを振らない選手もいますし、調整の仕方は人それぞれ。自分にとって打撃の軸となるものがないと好不調の波が大きくなり、いい成績は残せません。打撃の不調は必ず訪れるもの。調子のいい時から調整方法を考えておき、好不調の波の振れ幅を小さく、かつ平均以上の水準で保てるようにしたいところです。

 1軍ではどうしても成績がついて回りますが、そこに左右されすぎてもよくない。打撃は簡単なものではありません。だからこそ、練習で積み上げてきたことを信じ、自分のストロングポイントを出していけばいい。まずは、シンプルに自分らしい打撃に集中してほしいと思います。

 先発投手が本当に頑張ってくれているので、打線はどうやって1点を掴み取るか。今季は打たされているバッティング、ボールを追いかけ回すバッティングが目立ち、四球数が伸び悩んでいます。打って出塁するのもいいけれど、四球で出塁するのも同じこと。球数を多く投げさせたり、足でかき回したりすることもできる。マリーンズらしい攻撃は何か。戦略面も含め、もう1回原点に戻らないといけないのかもしれません。

佐々木朗希&松川虎生に集まる注目の陰で指揮官が称える若手野手

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