パの本塁打王は独走の山川穂高で決まり? 近年のキング5人の「傾向」をチェック

「安定感」の浅村、傾向が日本人離れしている杉本

 2020年の浅村は7月までに13本塁打と序盤から好調で、中田(日本ハム)とし烈な本塁打王争いを繰り広げた。9月には月別最多の10本を放ち、自身初の本塁打王に向けて猛チャージ。最終的には1本差で競り勝ち、タイトルを手中に収めている。

 7月以降に打率.300を超えた月は一度もなかったものの、7~10月の4か月における安打数はほぼ同じ。大きく調子を落とした期間はなく、1か月だけで9本以上を記録した月も2度存在した。過密日程の中で全試合に出場しながら、稀に見る安定感を発揮した点は特筆ものだ。

 昨年の杉本は4月終了時点で打率こそ.319と好調だったが、本塁打は4本とさほど多くなかった。だが、5月に8本塁打と大きくペースを上げると、6月は5本塁打に加えて打率.375を記録。7月はわずか1本塁打で打率.146と深刻な不振に陥ったが、そこから2か月連続で打率.300を超える数字を残し、最終的には打率.300、30本塁打をクリアしてみせた。

 4月まではさほど本塁打が増えなかったが、5月に数字を伸ばし、夏場の不振を経て終盤に再び調子を上げた。身長190センチ、体重104キロの体格を活かした打撃には日本人離れした迫力があり、シーズンの経過にも外国人選手のような傾向が見られた点は興味深い。

 タイトル獲得年の山川と浅村は、4月末の時点で本塁打ランキングの上位に位置し、そのまま1位の座を確保した。序盤の好調を、タイトル獲得につなげた例と言えよう。その一方で、レアード、デスパイネ、杉本の3選手は、序盤の本塁打数こそ決して多くはなかったものの、5月以降に本塁打を量産する月を生み出し、最終的に見事な成績を記録している。

 今季の本塁打王は、快調に本塁打を積み上げている選手の中から生まれるのか、それとも中盤戦以降になってから、一気に数字を伸ばしてくる選手が現れるのか。全日程終了後に、本塁打王に輝いた選手の月別成績を後から確認してみると、今回の記事に現れたようなその選手の傾向や、さまざまな発見が見出せるかもしれない。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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