現役女子大生が追及する「見せる野球」 SNSがざわついた豪快スイング誕生秘話

1キロのマスコットバットを使って毎日5時間打撃練習

 今、話題になっているスイングは、この頃に磨かれた。ほさかさんが所属していた少年野球チームのコーチが、そのスイングに惚れ込んだ。平日の夕方になると、ほさかさんの自宅を訪れた。1キロのマスコットバットで素振りをしたり、駐車場にネットを張ってシャトルや柔らかいボールを使って打撃練習をしたり、ほぼ毎日5時間ほどバットを振ったという。ほさかさんは「本塁打を打てたのも、今のスイングがあるのも、その時の練習があったからです」と明かす。

 中学では中高一貫の学校に進み、女子硬式野球部に入った。打力は大きな武器となり、高校では1年生から試合に出ていた。しかし、高校3年生になった時、野球人生で初めての挫折を経験する。チーム方針が小技を多用する「スモールベースボール」に変わり、ほさかさんは出場機会を失った。

「私の力不足もありましたが、細かい野球ができる選手がチームにフィットしていました。チーム全体でスイングをコンパクトにするようになる中、豪快にバットを振る自分のスタイルを変えたくない思いを捨てられませんでした。野球が嫌になって辞めようと思いました」

 高校最後の全国大会は、途中出場で何度かグラウンドに立っただけだった。ほさかさんは野球を辞めて、大学では好きなアニメのキャラクターの影響からラクロスに挑戦しようと決めていた。ところが、野球との縁は続く。クラブチームを立ち上げた先輩から声をかけられて、体験会に参加。そこで、もう一度野球をやりたいと思う出会いがあった。

体験会で掛けられた監督の言葉で取り戻したスイングへの自信

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