江川卓氏がポーカーフェイスになった理由 メディアに口を閉ざした高校時代

学生時代や巨人入団時は明るい性格が“一変”してしまったという江川卓氏【写真:荒川祐史】
学生時代や巨人入団時は明るい性格が“一変”してしまったという江川卓氏【写真:荒川祐史】

本当は「明るい」「ユニーク」も全国区で“キャラ変の苦悩”

 巨人OBで野球解説者の江川卓氏の単独インタビュー第2回。人気のYouTubeチャンネル「江川卓のたかされ」では、幼少時代のこと、高校時代の怪物列伝、そして社会現象にもなった「空白の1日」などについても触れられている。動画の中ではジョークも交えながら、軽妙なトークで野球ファンを楽しませている江川氏だが、学生時代や巨人入団時は、その明るい性格が“一変”してしまったという。【聞き手・楢崎豊、宮脇広久】

 YouTubeチャンネル「江川卓のたかされ」は登録者数が16万人を突破するなど、野球ファンに浸透している。豪華ゲストとの対談だけではなく、江川氏の生い立ちから、今の姿までたっぷりと語られている。法大4年時の1977年、ドラフト会議でクラウンライター(現・西武)からの1位指名を断り、米国留学。翌1978年、クラウンとの独占交渉権が無効となったドラフト会議の前日に巨人と電撃契約(その後無効に)した「空白の1日」は、列島を騒がせた。さかのぼれば、作新学院(栃木)時代から“怪物”とうたわれ、江川氏には好奇の視線が集まっていた。今のような朗らかでユーモアのある人柄は幼少時代から持っていたのだが、しばらくは真逆のイメージがついてしまっていた。

――(第1回のインタビューから続く)YouTubeでも今回のインタビューでも、聞き手の私たちやスタッフさんを楽しませようとジョークを言って和ませてくださっています。江川さんが話す冗談に一瞬戸惑い、スタッフさんが笑いの反応が遅れたり、薄い時があったりすると思います。そのときはどのように感じているのですか?

「ちょっとつらいな……と思っています(笑)。今日、ここまでお話をしていて、私の印象は少し変わった感じですかね? 普通というか、そのイメージの江川卓があるじゃないですか?」

――あります。ただ、私どもも「江川卓のたかされ」を拝見しているので、違和感なく江川さんの雰囲気を感じている部分もあるかと思います。

「(江川は)話が曲がった方向にいくんだ、と?」

――いえいえ(汗)。お話がお上手で、オチがあるというようなイメージです。もちろん緊張はしているのですが、(話が上手い江川さんとなら)盛り上がらないということはないと思い、今日、こちらに来ました。

「ということは(このインタビューは)いい感じですか?」

――はい。ただ、私の口から江川さんに(一言即答で)「いい感じです」とは(この状況では)言いづらいです。ただ、江川さんのお言葉を借り、あえて言いますと、ここまでは「いい感じ」に来ているのではないかと思います。いい時間を過ごさせていただいております。イメージについては、現役時代とは違いますが、テレビ番組でもユニークな一面は拝見していました。

「ユニークですか。私の印象は変わってきているのですね。結構(イメージを)気にしていたりするんですよ。『大丈夫なのかな』と思って。取材などでも、『うまくいってるかな』と気になります」

高校時代から騒がれ、メディア対応に変化

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