無くなった保護者からの「何故ここで交代?」 ポニー投球数制限の怪我予防以外の利点とは

バックネット裏には球数が一目でわかるスコアボードも【写真:中戸川知世】
バックネット裏には球数が一目でわかるスコアボードも【写真:中戸川知世】

沖縄ダイヤモンドBBCの我那覇は球数を抑えるため投球スタイルを変更

「球数制限があるから、ペース配分や組み立て方も考えるようになりました」。ポニー沖縄ダイヤモンドベースボール倶楽部の我那覇真(がなは・まこと)主将は投球数の限度から逆算して試合を組み立てていた。この日、羽田アンビシャスポニー戦に先発。2回までに52球を要してしまった。「球数が多くなってしまったので、3回からは変化球を多めに使って打たせて取るようにしました」。以降は32球と球数を減らし4回まで投げ切った。

 指導者も球数制限の利点を感じているようだった。3連覇を狙うポニー江東ライオンズの田本剛監督は「選手が考えるようになったと思います」と実感する。田本監督自身もエースを翌日も投げられるように降板させるケースと、85球の制限ギリギリまで投げさせる2パターンを想定し、試合を組んでいる。「代えるしかないので、スパッと代える代えることができますし、多くの選手を使うしかない。敗戦処理みたいな交代はないですね」と話す。

 古島氏も5月のポニーフェスタで「球数制限によって選手交代が楽になる。保護者などから『何でここで交代させたのか』とか言われることもなくなっている」と話していた。怪我予防のために取り入れた投球数制限は、選手の成長や試合経験を増やすことに役立っていた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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