ENEOS田澤が入団会見「ついていくことで必死」 背番号36、復帰初登板は11日予定

古巣ENEOS復帰が決まり会見に臨んだ田澤純一(右)「写真提供:ENEOS」
古巣ENEOS復帰が決まり会見に臨んだ田澤純一(右)「写真提供:ENEOS」

14年ぶりの古巣復帰、大久保監督「社会人野球の盛り上がりも含めて期待」

 14年ぶりにENEOS野球部に復帰した田澤純一投手が9日、オンライン会見に出席し、入団までの経緯について語るとともに、「自分がやってきたことを後輩にうまく伝えられたら、少しでも貢献できたらいいなと思います」と意気込んだ。会見には恩師と慕う大久保秀昭監督も同席。36歳右腕の加入について「部員たちのさらなる成長、社会人野球の盛り上がりも含めて期待したい」とした。

 米国、台湾、メキシコで経験を重ねた男が“原点”に戻ってきた。田澤は2005年に横浜商大高から新日本石油ENEOS(現ENEOS)に入社。社会人としての一歩を踏み出した。2009年にレッドソックスへ移籍するまで、野球の技術だけではなく、社会人としてのルールやマナーを学んだ場所。特に、2006年に就任した元捕手の大久保監督には、折に触れて的確なアドバイスを受け、2008年の都市対抗野球では八面六臂の活躍で、大会MVPにあたる橋戸賞を受賞した。

 2009年からメジャーでプロとしての経験を重ねた右腕は、毎年オフに帰国時はENEOSのグラウンドを借りて自主トレを行うなど古巣との縁は継続。2020年に米球界を離れ、BCリーグ、台湾、メキシコに活躍の場を求めるなど紆余曲折を経て、今回のENEOS復帰となった。

 大久保監督は「メジャーに挑戦した時から、会社のバックアップも含め、田澤が(復帰を)決断した時は快く引き受けてくれということは申し送りされていたこと」と明かす。その後、田澤が米球界を離れて帰国した頃から復帰を打診。田澤は台湾、メキシコと海外に活躍の場を求めたが、今年6月にメキシコで戦力外となって帰国。復帰の決断について「このタイミングで少しでも力になれたらという想いでENEOSに加入することにしました」とした。

 5日からチームに合流した右腕は今後、リリーフとして起用される予定で、復帰初登板は11日のオープン戦となる見込み。背番号は2013年にワールドシリーズ優勝を果たした時と同じ「36」をつける。14年前からチームは世代交代も進み、すっかり様変わり。「まずはチームに馴染むために、ついていくことで必死」と笑うが、期待される役割は十分に理解している。

 メジャー挑戦の日々を振り返り、「社会人野球のレベルが高かったから、メジャーでもできた」と断言。チームを巣立ってからの14年間に重ねた唯一無二の経験や知識を後輩たちに伝え、「チームが強くなる助けができれば」とも話す。

 ワールドシリーズ優勝から戦力外通告まで酸いも甘いも知る男の復帰は、ENEOSはもちろん、社会人野球界に有形無形の貢献をもたらすはずだ。

(Full-Count編集部)

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